華為傘下の海思半導体、23年Q4の売上高が245倍に
英市場調査会社カナリスによると、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)傘下の半導体企業である深セン市海思半導体(Hisilicon、広東省深セン市)が2023年第4四半期(10~12月)に出荷したプロセッサは前年同期の52倍となる680万枚で、同期の売上高は245倍の70億米ドル(約1兆445億円)だった。
スマートフォン出荷量の統計に基づくと、スマホ向けプロセッサ世界トップ3社の同期の出荷量は、台湾の聯発科技(メディアテック)が前年同期比21%増、米Apple(アップル)が7%増、米Qualcomm(クアルコム)が1%増だった。
このデータは中国において、投資関係者がSNSに「これは国産半導体が全面的なブレークスルーを果たした重要なシグナルである」と投稿するなど、半導体業界を奮い立たせる内容となったが、その一方で、米国の対中国「半導体包囲網」を一段と強化させる要因にもなりそうだ。
米国のジーナ・マリー・レモンド商務長官はこのほど行ったフィリピンでの講演で、「米国は、中国が先進半導体とその製造設備を得ることを阻止するよう、輸出規制の強化が必要かどうかを絶えず検討している」と表明。「ハイテク輸出規制の強化を含め、米国民を守るために必要なことは何でもする考えだ」と述べた。
華為は国産半導体の開発を加速している。同社ホームページによると、同社の次期スマホ向けプロセッサ「Kirin 9010」は3nm製造プロセスを採用予定で、早ければ年内に出荷する。
カウンターポイントリサーチのまとめた最新のスマホ販売台数リポートによると、2024年年初から6週間の中国のスマホ販売台数は前年同期比で7%減少したが、華為のスマホ販売は64%増えて、シェア17%を掌握した。同時期のアップル「iPhone」の中国販売は24%減少した。