中国、23年のオランダからの半導体露光装置の輸入2.8倍に
中国税関総署によると、2023年の中国の半導体露光装置の輸入額は前年比120.9%増の87億5,400万米ドル(約1兆2,970億円)だった。そのうちオランダからは183.8%増の72億3,000万米ドルを輸入しており、全体に占める比率は82.6%と、前年から18.3ポイント拡大した。
半導体露光装置は半導体製造プロセスにおいて極めて重要な装置で、中国はほぼすべてを輸入している。世界最先端の露光技術を掌握するオランダが最大の輸入先となっており、23年はオランダが米国による対中半導体輸出規制の陣営に加入したことで、中国の半導体産業に大きな逆風が吹いたが、中国は同年も露光装置の輸入を急増させた。
集微咨詢(JW Insights)のまとめによると、2015~23年に中国がオランダから輸入した半導体露光装置は、金額にして217億3,800万米ドル、台数にして915台だった。輸入額は18年に大きく増加し、19年と22年にやや減少した後、23年に再び急増している。
中国がオランダから輸入する露光装置はほぼすべてASML製だ。ASMLの15~23年の中国向け販売額は232億4,200万米ドルで、うち23年は前年比157.6%増の80億1,000万米ドルだった。
露光装置を輸入する企業の所在地をみると、23年は13省・直轄市に及び、輸入額トップ5は、上海市(15億700万米ドル、シェア20.8%)、湖北省(14億2,400万米ドル、19.7%)、北京市(12億2,500万米ドル、16.9%)、広東省(10億2,000万米ドル、14.1%)、安徽省(9億8,500万米ドル、13.6%)だった。
省・直轄市別の半導体露光装置の輸入量は、当該地の半導体工場の規模と生産能力を反映している。上海市には中芯国際(SMIC)、積塔半導体(GTA)、台湾積体電路製造(TSMC)の上海工場、華虹半導体、上海鼎泰匠心、上海格科微(GalaxyCore)などの半導体大手が集積。湖北省は武漢新芯集成電路製造や長江存儲科技を擁する。