アリババ、クラウド事業の分離計画を撤回
中国電子商取引(EC)大手のアリババ・グループ・ホールディング(浙江省杭州市)は16日夜、クラウド部門の阿里智能雲集団のスピンオフ(分離・独立)計画を撤回すると発表した。米国の対中半導体輸出規制の強化が影響したとしている。
アリババが同日に発表した2023年第3四半期(7~9月)業績報告で明らかにしたもの。「このところの先端半導体輸出に対する米規制の拡大により、阿里智能雲の見通しに不確実性が生じた」とコメントした。
具体的には、米政権が10月に発表した先端半導体および半導体製造装置の中国への輸出制限拡大措置が、阿里智能雲の商品・サービス力、および現有契約の履行能力に不利な影響をもたらすと説明した。
アリババは今年3月、組織再編の一環として、阿里智能雲を分離する方針を発表した。阿里智能雲の董事長兼最高経営責任者(CEO)の張勇氏は5月の社内向けメールで、阿里智能雲を12カ月以内に分離・上場させるとともに、外部の戦略投資家を引き入れる計画を明らかにしていた。
2023年7~9月期決算は、売上高が前年同期比9%増の2,247億元(約4兆6,900億円)だった。
創業者の馬雲(ジャック・マー)氏の家族信託は16日、アリババの米国預託株式(ADS)1,000万株をおよそ8億7,100万米ドル(約1,305億6,300万円)で売却する予定も明らかにしている。