独VW中国、京東工業と調達網のデジタル化推進
ドイツの自動車大手、フォルクスワーゲン(VW)の中国法人、大衆汽車集団(中国)(VW中国)は15日、中国直販型インターネット通販大手の京東集団(JDドットコム)傘下で、物流網のIoT(モノのインターネット)を手掛ける京東工業と戦略提携した。VW中国のMRO(整備・修理・運用)資材調達プロセスをIoTなどデジタルで最適化し、コスト削減と効率化を図る。
フォルクスワーゲングループは中国進出40年近くになり、サプライチェーンシステムを確立してきたが、デジタルによる最適化が求めらていた。MRO資材は一時的な調達や不定期な需要が特徴で、京東工業が提供する物流ソリューション「Total Chain Solution」を活用してVW中国向けオンラインMRO調達ポータルを構築。マッチング、発注、承認、実行、納品、決済を含むワンストップのオンライン調達とデジタル化管理を実現する。
京東工業の「Total Chain Solution」は、MROの在庫切れ数量、在庫切れ時間、その他のデータを分析し、AI(人工知能)アルゴリズムを通じて、補充サイクルにおける平均消費量、推奨補充レベル、補充サイクルを提示することで、「在庫は少ないが、不足はない」状態を実現し、MROの在庫コストをさらに削減することができるという。
両者の協業の第1弾は、VW中国の7つの事業体で実施。自動車用実験機器、研究開発・試験機器、工具、個人用保護具、事務用品、その他多くの専門的なMROカテゴリーを含む1万4,000以上のSKU(単品管理)を対象とする予定だ。