ロボットの特許数、中国が16万件超で世界トップ
人工知能(AI)やロボットの研究開発(R&D)を手掛ける安徽省の哈工大机器人(合肥)の研究調査部門の国際創新研究院はこのほど、ロボット産業の青書「中国机器人産業発展報告(2020~2021)」を発表した。青書によると、中国のロボット分野の特許件数は16万2,485件で世界の44%を占め、主要国の米国、日本、ドイツなどを抜き世界トップだった。15日付維科網机器人が伝えた。
中国政府は、製造強国になることを目指す「中国製造2025」やロボット産業の発展計画「机器人産業発展規画(2016-2020)」などの政策や法規を次々に公布し、関連産業の発展を推進してきた。同時に、日本のファナック、川崎重工、安川電機やスイスのABB、ドイツのKUKAなど高い技術を持つ企業の参入も積極化していた。
中国では、埃斯頓(南京市)、新松機器人(瀋陽市)、華中数控(武漢市)、江蘇哈工智能(無錫市)などがロボット技術の開発力を急速に向上させ、一部の技術は国産化が実現した。ただ、20年時点のロボット産業の国産化比率は39%と低いレベルにとどまっている。8年連続で世界最大の産業用ロボットの生産国であるが、巨大な市場に対して、生産と在庫の量は需要を満たしていない。
今回の青書では、ロボット分野で中国の特許件数が多いものの、技術分野が分散しているため、国際競争力をつけるための減速機(RV)など中核技術に集中できていない課題も指摘した。主要な部分を占める産業用ロボット以外にも、手術、消防、パトロールなど、種類が多様化していて新興企業が多いのも特徴だ。
中国内の特許件数では、広東省が第1位で上海市は第5位だった。
国内の地域別のロボット関連企業数をみると、21年3月時点で、広東省が国内で最多の7万社余りで、2位以下は江蘇省(4万502社)、山東省(2万4,467社)、浙江省(2万4,003社)、上海市(1万6,192社)、福建省(1万1,050社)、安徽省(9,946社)など。