CATL、AIで車載電池の品質管理を高度化
車載電池大手の寧徳時代新能源科技(福建省寧徳市、CATL)が、人工知能(AI)を活用し車載リチウム電池の品質管理の高度化を進める。20日付で高工鋰電が伝えた。
CATLは、これまで人間がやってきた作業プロセスをビッグデータ化してAIに学習させ、検索大手、百度のディープラーニングフレームワーク「百度飛槳(PaddlePaddle)」を駆使して特徴を解析することで標準化。複雑な検査の際の迅速な合否判断を可能にする。
CATLの車載リチウム電池の生産ラインは従来、金属溶接で発生した粒子の付着、塗装漏れ、溶接技術の一致など各工程の検査のための監視パラメータは3,000を超えていた。人間の目で見る検査方法で異なるプロセスや複雑な基準を確認するは効率が低かった。
CATLの曽毓群・董事長は「動力電池の品質管理は非常に重要で、些細な欠陥が発生した場合でも、安全上の問題を引き起こす可能性が高い。品質検査にAIを導入することで、欠陥率が100万分の1から10億分の1に低下し、品質レベルはPPM級からPPB級に3つ昇格できる」と話した。AIによる品質管理の技術を、電池の容量の計測や溶接技術の向上、など従来の生産ラインの改造にも活かし、品質の安定性を向上させる計画だ。電池容量の計測技術はドイツ総合電機大手シーメンスなどと協力して開発を進めており、22年3月にも運用開始する予定となっている。
CATLは、2011年に設立された車載リチウム電池で世界最大手。中国国内の自動車メーカーに加えて、トヨタ、ホンダ、日産やドイツ、米国の自動車各社に車載リチウム電池を供給している。現在、電気自動車(EV)用バッテリーで世界シェアトップだ。