新東方新材料のTDテック買収頓挫、華為が強く反発
包装材料向けのインクなどを製造する新東方新材料(ニュー・イースト・ニュー・マテリアルズ、安徽省合肥市)が、電子機器メーカーのTDテックを買収する計画が頓挫した。
新東方は今年4月に欧州の通信機器大手ノキアソリューションズ&ネットワークスが保有するTDテックの株式51%を21億2,160万元(約435億円)で取得する計画を発表していたが、新東方の今月4日の発表によると、このほどノキアから株式譲渡交渉の中止を求める通知を受け取った。
同取引を巡っては、TDテックの残余株式を保有する通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が強く反発してきた経緯がある。新東方は、TDテックの買収計画を発表後、買収資金の調達を目的とした第三者割当増資計画を発表したが、華為はその発表当日の夜に声明を出し、「TDテックを新東方と共同で運営していく意向も可能性も全くない」として、新東方によるTDテック買収に強く反対する姿勢を明示した。
TDテックはノキアが51%、華為が49%の出資比率で2003年に香港で登記された。傘下に全額出資の中核子会社である鼎橋通信技術と、孫会社の成都鼎橋通信技術を擁する。鼎橋通信は通信端末、産業用無線、IoTを手掛け、華為のスマートフォンと筐体デザインが類似したスマホ製品を数多く投入している。