BYDのインド工場設立案、安全上の理由で政府が拒否
インド紙のエコノミック・タイムズは23日、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD、広東省深セン市)がインド南部のハイデラバードに工場を建設する案をインド商工省産業国内取引促進局(DPIIT)が拒否したと伝えた。
報道によると、BYDは同投資案を、ハイデラバードを本拠地とするメガ・エンジニアリング・アンド・インフラストラクチャーとの合弁事業として提出していた。
エコノミック・タイムズはインド当局関係者の話として、「審議の過程で、中国の対インド投資における安全保障上の懸念が指摘された」と報じた。同紙によれば、DPIIはインド企業と関連のある中国自動車メーカーに対する審査に着手した。
米ロイター通信は今月初め、関係筋の話として、BYDが10億米ドル(約1,410億円)規模の投資計画をインド当局に提出したと報じた。現地企業と提携して、インドでEVとバッテリーを製造する内容で、同関係者によると、BYDは向こう数年内にインドで年間10万台のEV生産能力を構築し、長期的にはハッチバック車からラグジュアリー車まで、BYDブランドの全シリーズを現地生産する構想だったという。
インド政府が同提案を拒否した背景として、「BYDがインド当局の怒りを買った」との見方もある。BYDのインド工場設立計画が明らかになる以前にインド現地メディアが伝えたことによると、インド政府は今年上半期、BYDからEVバス1,000台を228億ルピーで購入することを決定。BYDとの交渉の中で、頭金10%を支払い、その後に残額を支払う分割払い方式を提案したが、BYDは要望を受け入れず、一括払いを求めたという。