鴻海がインフィニオンと提携、EV向けSiC技術を共同開発
EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)は、車載半導体の開発を強化する。ドイツのインフィニオンテクノロジーズと共同で、電気自動車(EV)の航続距離を延ばす炭化ケイ素(SiC)技術の開発・実用化を進める合同研究施設を台湾に設立する。
フォックスコンは2023年内に、台湾北部の新竹市の工場でSiCパワー半導体の生産を開始する計画。量産体制の確立や品質維持の面での高いハードルを踏まえれば、同生産プロジェクトにおいても、パワー半導体で世界をリードするインフィニオンと協力していくとみられる。
フォックスコンは2019年にEV市場への参入を宣言して以降、車載半導体を自前生産するための体制を整えてきた。21年に台湾の電子部品大手、国巨(ヤゲオ)と車載半導体を生産する共同出資会社を設立した。
海外生産拠点の構築も進めており、現地企業の買収を通じてマレーシアに半導体工場を建設した。インドの資源会社と共同で、インド西部のグジャラート州に工場を建設する計画もある。
さらに4月中旬には、中国本土の半導体4工場を買収したと報じられた。パワー半導体製造の後工程(組立・検査など)を行う拠点になるという。