百度傘下の小度科技、スマホ参入へ EVとつながるIoT戦略か
中国IT大手、百度(バイドゥ、北京市)のスマートデバイスブランド事業部である小度科技は、携帯電話事業に新規参入する。5月下旬に自社初のスマートフォンの発表を予定しており、15日にもその詳細を明らかにする。
百度に近い関係者の話として、時代周報が8日伝えた。小度科技の初のスマホは子供向け商品となる可能性が高いとの情報もあるが、百度はコメントを控えている。
家電や電気自動車(EV)とつながるスマホへの参入は、百度のIoT(モノのインターネット)事業ネットワークづくりを後押しし、同社のビジネス生態系の影響力を高めるものになるとの見方もある。
小度科技の前身である百度の「スマートリビンググループ(SLG)」は、対話型AI製品を始めとする百度のAI戦略の重要な構成要素として、スマートスピーカーなどのデバイスを商品化してきた。
市場調査会社のIDCなどによると、小度科技は、2022年の中国のスマートスピーカー、学習用タブレット、フィットネスミラーの各市場で販売首位を独占した。小度科技のスマホ進出が、華為(ファーウェイ)や小米(シャオミ)などの有力ブランドがひしめく中国のスマホ市場に動揺をもたらすかは今のところ未知数だ。
中国のスマホ市場は足もとで、上位6社が7割超のシェアを独占している。香港に本社を置く調査会社、カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチによると、中国の2023年第1四半期のスマホ販売市場は、アップルがシェア19.9%で、前年同期から6ポイント伸ばして首位。以下、OPPO(18.3%)、vivo(17.7%)、栄耀(14.6%)、小米(13.6%)、華為(9.2%)の順だった。