中国版GPS「北斗」、産業規模4,700億元に
中国国務院(中央政府)弁公室は4日に記者会見を開き、中国版GPSとも称される「北斗」衛星測位システムの運用状況を示した白書「新時代の中国北斗」を発表した。
中国衛星測位システム管理弁公室主任で、北斗衛星測位システム報道官の冉承其氏は記者会見で、新時代の北斗は本格的な導入段階に入っていくと指摘。中国の衛星測位・位置情報サービスの全体産業規模は2021年に4,700億元(約9兆5,960億円)に達し、年間平均20%超のハイペースで拡大していると説明した。
冉氏は、現行の北斗3号の軌道上にある衛星30基の稼働状態は良好だ。グローバル測位の精度は誤差5メートル以内で、アジア太平洋地域における性能はさらに優れており、サービス性能は全面的に設計指標を上回ることが実測によって示された」と紹介。衛星に使われている300種以上、数百万点の部品はすべて国産で、安定したサプライチェーンが構築されているとした。
白書では、「北斗の産業面での応用を推進するため、研究機構、大手企業、特色産業団地を軸とした北斗産業群を形成する」と明示。ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)といった新技術との融合を進めて、「北斗+」、「+北斗」という新しい業態を生み出し、経済・社会のデジタル化と質的成長を後押しするとの青写真を描いた。