中国電信、「量子技術イノベーション」積極展開

量子通信を強化している中国電信

中国の通信大手、中国電信(チャイナテレコム、北京市)が今年に入り、量子テクノロジーの研究分野で存在感を高めている。量子技術応用のイノベーション成果を通信業界に複数持ち込み、「量子+」という新たなビジネスシーンを育んでいる。

騰訊網が伝えた。同社は早くも2020年に、通信セキュリティ分野に量子技術を応用するプロジェクトを始動した。昨年には、量子通信設備の開発などを手掛ける科大国盾量子技術との共同出資で「中電信量子公司」を設立。量子通信技術、国産商用暗号技術、ビッグデータ、クラウドコンピューティングといった先端技術を統合することで、量子テクノロジー応用のイノベーション創出や実用化の推進に取り組んでいる。

同社の経営陣は今年3月の業績発表会で、中国の通信キャリアとして初めて、量子暗号技術の商用化に成功したと発表。パートナー企業と共同で、量子技術によってセキュリティを強化した製品と、そのソリューションを開発したと発表した。

同年5月、量子技術で通信を保護したスマートフォン「天翼1号2022」を発表した。スマートフォン本体を国内でオーダーメイドし、かつ量子暗号通信技術と国産暗号アルゴリズムを用いるという「3重の保護」で、本体とチップを包括的に保護し、暗号通信という新たな体験を消費者に提供した。

新思界産業研究センターは、中国の量子通信ネットワークの規模はまだ小さいものの、技術の進歩につれてネットワークは持続的に拡大していくと指摘。2026年の中国の量子通信市場規模は1,100億元(約2兆2,171億円)を超えるとの予測を示した。

我国量子产业市场前景广阔,中国电信深耕“量子+”产业新航道

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