欣旺達電子と東風汽車、湖北省に車載バッテリーの生産拠点
リチウムイオン電池の生産を手掛ける欣旺達電子(広東省深セン市、Sunwoda、サンオーダー)の子会社で、車載バッテリーメーカーの欣旺達電動汽車電池は18日、中国国営自動車メーカー大手の東風汽車グループと湖北省宜昌市に駆動用バッテリーの生産拠点を建設することで合意したと発表した。蓋世汽車などが19日伝えた。
生産拠点の総投資額は120億元(約2,462億3,000万円)で、年間生産能力30ギガヘルツ(GWh)を計画。主にパワーバッテリーのセル、モジュール、バック、バッテリーシステムの研究開発(R&D)、製販を行う。プロジェクトは2期に分かれており、第1期は約80億元で年間生産能力20 GWh、第2期は10 GWhを目指す。
欣旺達電子、東風汽車と同社傘下の自動車部品メーカー東風鴻泰(湖北省武漢市)は6月、3社で電気自動車(EV)向けバッテリーの合弁会社を設立する契約を締結した。新会社の登録資本金は5億元。欣旺達電子は2億5,500万元を出資して51%、東風汽車は35%、東風鴻泰は14%、それぞれが株式を保有する。
欣旺達電子は2021年以来、市場の電池需要増加により、南昌市(江西省)に投資額200億元で生産能力50 GWh の新工場を建設したほか、棗荘市(山東省)、珠海市(広東省)、什邡市(四川省)などで生産能力の拡大を計画している。同社は、21年に初めて中国の駆動用電池搭載量のランキングで10位に入り、今年上半期(1~6月)には市場シエア2.5%で5位にランクした。
東風汽車は今年1月~8月、新エネルギー車(NEV)の販売台数が累計で前年同期比168.4%増の19万6,400台。同社にとって、バッテリー合弁会社の設立は、セル技術の競争力とバッテリーの供給力の向上を加速する狙いがある。また、巨額な資金が必要となる電池事業で、自社だけで賄うのが困難なサンオーダーにとっても、生産力を増加させる機会となる。