マレーシア、EV輸入に厳格な新規制 中国ブランドに試練

マレーシア政府は7日、新たなEV(電気自動車)輸入規制を施行し、完成車輸入(CBU)と現地組立(CKD)に対して厳格な基準を設けた。新規制では、CBU電動車の着岸価格を20万リンギット(約794万円)以上とし、モーター出力を180キロワット(kW)以上とすることが求められる。これらの措置は外資の投資品質の向上、技術移転の加速、および現地サプライチェーンへの参画強化を目的としている。高いコストパフォーマンスで東南アジア市場を開拓してきた中国のEVブランド、特に主力モデルへの影響は大きく、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD、広東省深セン市)の「ドルフィン」、奇瑞汽車などの主力車種は条件を満たさないため市場参入が阻まれることになる。

現地組立に対する制約はさらに厳しく、2025年9月1日以降に認可された新規プロジェクトでは、車両の最低販売価格を10万リンギット以上とし、生産量の少なくとも80%を輸出に充てることが義務付けられる。ボディ溶接、塗装、最終組立などの重要な製造工程はすべてマレーシア国内で完結させなければならない。この政策はマレーシアにおける中国自動車メーカーのCKD工場計画に影響を与えており、BYDのCKD工場はすでに停滞を余儀なくされている。

マレーシア政府の戦略的意図は明確だ。高い参入障壁によって外資を「車を売る」から「車を作る」へと転換させ、プロトンや北鹿大(Perodua)がかつて実現した現地化産業モデルを再現しようとしている。ただし、政策には抜け道も設けられており、新規プロジェクトではなく既存の製造設備を活用する企業については、80%の輸出割当の制約が適用されない。零跑(Leapmotor)と小鵬(Xpeng)はすでに提携によって新規プロジェクト審査の厳格な条件を回避しているが、その前提として適切な既存生産能力を持つ提携パートナーを見つける必要がある。東南アジアのタイ、インドネシア、マレーシアの3カ国はEV輸入の参入障壁を相次いで引き上げる一方、現地生産、技術移転、輸出志向を条件として投資誘致を図っている。

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