韓国SKグループがガラス基板に賭け、TSMC・群創と協業

韓国の半導体大手、SKハイニックスの親会社のSKグループはこのほど、傘下の材料企業SKCを通じた増資で1兆1,700億ウォン(約1287億円)を調達し、そのうち約5,896億ウォンを米国子会社Absolixに専項投入し、今後3年間の半導体パッケージング用ガラス基板の量産計画に充てると発表した。
これは単なる「ガラス板」ではなく、パネルレベルパッケージング(Panel-Level Packaging、PLP)/ガラスキャリア基板路線へ向けた投資となる。大規模量産が実現すれば、高端AI(人工知能)チップの「ウェーハレベル2.5D/3D」以外の新たな生産能力経路とコスト構造を変革する。
「円から方形へ」
SKグループが重資を投じるガラス基板は、現在の先進パッケージング分野で最も注目されている技術方向だ。従来の有機基板やシリコン基板と比べ、ガラス基板は低誘電率・高耐熱性・高平坦性などの顕著な優位性を持つ。
核心技術の論理は「円から方形へ」のパネルレベルパッケージングにある。従来の半導体製造では円形ウエハーが使用され、エッジに大量の材料ロスが生じる。一方、パネルレベルパッケージングでは基板を方形ガラスに転換することで、コーナーロスを大幅に削減し、同等面積内により多くのシリコンチップを封止できる。
データによれば、ガラス基板は接続密度を約10倍向上させ、エネルギー消費を効果的に削減し、チップ間の光相互接続の基盤を提供する。AIチップの演算力・放熱・パッケージング密度への要求が高まり続ける中、従来の基板は物理的限界に近づいており、ガラス基板はボトルネック打破の重要材料となっている。
現在、世界の半導体大手はガラス基板の布石を加速している。SKC傘下のAbsolixは2023年にすでに米国ジョージア州に世界初の半導体パッケージング用ガラス基板製造工場を建設した。最新情報によれば、Absolixが生産したサンプルは米半導体大手、Advanced Micro Devices(AMD、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)・Amazon Web Services(AWS)を含む複数のテクノロジー大手の性能テストを受けており、信頼性テストが順調に進めば最速で今年末に量産開始できる見込みだ。
SKCに加え、米半導体大手Intel(インテル)もガラス基板分野で急速に進展している。26年1月、インテルはガラスコア基板を搭載した初の製品であるXeon 6+「Clearwater Forest」サーバープロセッサが大規模量産段階に入ったと発表し、業界初の商業化実現ガラス基板製品となった。また、サムスン電機・LGイノテック・日本の大日本印刷(DNP)なども関連生産ラインの建設と技術研究開発を精力的に推進しており、世界のガラス基板商業化プロセスが全面的に加速している。
3社が「パッケージング鉄の三角形」を形成か
SKグループの今回の大きな賭けは、材料端での先行優位を確保するだけでなく、AI半導体サプライチェーンにおける戦略的地位を深化させるためでもある。SKハイニックスは半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)がAI市場を攻略する上での重要なパートナーであり、両社は24年にすでに協力覚書を締結し、HBM4(第4世代高帯域幅メモリ)の共同研究開発を進めている。
SKグループのパネルレベルパッケージングへの重点投資を受け、業界ではTSMC・群創光電(Innolux)・SKハイニックスが将来的に「パネルレベルパッケージング鉄の三角形」を形成する可能性が期待されている。TSMCはすでにこの技術をCoPoS(Chip-on-Panel-on-Substrate)と命名し、パイロット生産ラインを構築中で、長期的な目標は従来のシリコンインターポーザーをガラス基板で代替することだ。
パネルレベルパッケージング分野では、台湾の群創光電がすでに先行展開を実現している。現在、群創のファンアウト型パネルレベルパッケージングの月産量は大幅に向上し、歩留まりが高く稼働率も満載で、経済規模に達している。同時に、ガラス貫通ビア(TGV)などのコア技術分野でも先行優位を確立しており、世界一線のクライアントとの技術検証を進めている。
サプライチェーンの観点から、群創が代表する路線はファンアウト型パネルレベルパッケージング(FOPLP)とガラス関連プロセス(TGVなど)における「パネルメーカー資産の転用」に近い。同社の洪進揚董事長は株主総会の年次報告説明会で、先進パッケージング技術はすでに「第一先行グループ」に位置し、ガラス貫通ビア/TGV等の分野で先行展開し一線クライアントと共同開発していると位置づけた。Chip-first(チップ先行)方式の月産量は4,000万個超の規模に引き上げられ、歩留まりと稼働率は満載で経済規模に達したと説明されている。
材料の突破から封止プロセスの革新まで、SKグループとTSMC・群創などサプライチェーン上下流との緊密な連携は、グローバルな半導体競争がプロセスの微細化だけでなく、先進パッケージングと材料科学の深みへと延伸していることを示している。




