中国のスマート工場、3.5万カ所突破

中国でスマート工場の建設規模が急速に拡大し、その技術水準も着実に向上している。中国中央テレビ(CCTV)の最新データによると、中国のスマート工場は、基礎レベルが3万5000カ所超、先進レベルが7000カ所超、卓越レベルが500カ所超に達した。これらは全国31省・自治区・直轄市に分布し、製造業の90%以上の業種を網羅している。
世界経済フォーラム(WEF)が製造業のロールモデル(灯台)となる工場として認定する先端工場は、その半数が中国に所在していることが分かった。
中国はスマート工場について、「基礎レベル」「先進レベル」「卓越レベル」で分類。中国中央テレビ(CCTV)の最新データによると、中国のスマート工場は、基礎レベルが3万5000カ所超、先進レベルが7000カ所超、卓越レベルが500カ所超に達した。これらは全国31省・自治区・直轄市に分布し、製造業の90%以上の業種を網羅している。
中国は「第14次五カ年計画(2021〜25年)」以降、製造業のスマート化を急速に推し進めてきた。スマート工場の建設は、産業の安定成長を支える重要な推進力となり、「中国製造」から「中国智造(スマート・チャイナ)」への大転換を牽引している。
今年1~9月の統計によると、中国の一定規模以上工業(中大型製造業)の付加価値額は前年比6.2%増加した。中でも自動車、電気機械、電子産業の3分野が全体の約4割の成長を牽引した。
スマート工場の建設は量・質ともに世界をリードしており、各地でも積極的な取り組みが進む。たとえば上海市では、市経済信息委員会が「2025年度上海市先進レベルスマート工場リスト」を公表。省エネ設備メーカーの冠龍節能(Guanlong Energy Saving)がデジタル化改造とスマート転換の実績により選出された。
各産業でスマート転換
各産業で実質的なスマート転換が進展している。
自動車製造業では、南京市の易咖智車(Yika Smart Vehicle)は10月に、新スマート工場を稼働。AGV(自動搬送車)とロボットアームを総合的に運用し、6分でAGV1台を完成できる高速生産を実現。年産能力は2万台に達する。
電子・消費財分野でも、生産の隅々までスマート化が浸透しつつある。公牛集団(BULL Group)の電源コネクタ工場では、広範なIoTネットワークを構築し、照明を必要としないほど完全な自動化を実現した「完全消灯工場」の運営と自動資材配送を実現。主要製品は2秒に1個のペースで完成し、生産効率が飛躍的に向上した。
伝統産業の高度化においても、環境対応とスマートの融合が進んでいる。江蘇大生集団のカーボンニュートラル繊維工場は10月18日に稼働を始めた。デジタル化と低炭素技術を組み合わせ、1万錘生産あたりの従業員数を8人未満に削減、エネルギー消費を20%抑え、ほぼゼロカーボンでの操業を実現した。
新興分野では、スマート製造の概念がデジタル空間へと拡張している。浪潮(Inspur)が建設した国内初のAI(人工知能)モデル工場は、AIモデル(LLM)開発を「技術者による作業」から「工業生産」へと転換。プロジェクト納期を90人日から20人日に短縮し、AI技術の導入コストを大幅に引き下げた。



