華為、上半期の純利益は32%減=研究開発費の増大などで

中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)が8月29日発表した2025年上半期業績によると、売上高は前年同期比3.94%増の4270億3900万元(約8兆7970億円)だったが、純利益は32%減の371億9500万元だった。利益の大幅減少の背景には、世界市場の変動と課題に直面する中で、巨額の研究開発(R&D)投資と将来に向けた競争力強化への布石があるとみられる。
華為が北京金融資産取引所の公式サイトで公開した上半期の報告書によると、利益減少の要因については、研究開発(R&D)費用の増大に加え、公正価値変動による損益の悪化が大きく影響しているとみられる。24年上半期に3532万7000元のマイナスだった公正価値変動損益は、25年上半期には58億3600万元へと急落した。
事業別では、端末ビジネスが顕著な成果を上げている。米調査会社IDCのデータによると、25年第2四半期(4〜6月)に中国市場で同社は1250万台のスマートフォンを出荷し、市場シェア18.1%で首位を獲得。上半期累計でも2540万台を出荷し、中国市場での販売台数トップを維持した。9月4日には新型三つ折りスマートフォン「Mate XTs Extraordinary Master」を含む新製品発表会が予定されている。
スマートカー分野でも「鴻蒙智行」の展開が加速。常務董事で端末BG董事長の余承東氏は、これまでの累計納車台数が90万台を突破し、今年10月には100万台超えが見込まれると明らかにしている。
一方、研究開発への積極投資は継続している。25年上半期の研究開発費用は969億5000万元で、売上高比率22.7%に達した。この水準は多くのテクノロジー企業の年間予算を凌駕する規模となっている。
余承東氏は6月に行われた最新スマートフォン「Pura 80」の発表会で、過去10年間の研究開発投資総額が1兆2490億元、24年単年での投資額が1797億元に達したことを明かした。さらに、同社は累計15万件の有効特許を保有しており、「テクノロジーの長距離走に必要なのは長期的な研究開発への忍耐力だ」と強調した。
証券時報によると、専門家は「高額な研究開発投資が短期的な利益を圧迫する一方で、AI(人工知能)、クラウドコンピューティング、スマートモビリティなど成長分野における華為の長期的な競争力を支える基盤になっている」と指摘している。



