HXRチップのSwave Photonics、サムスンなどから600万ユーロ調達

ベルギーの半導体スタートアップ、Swave Photonicsはこのほど、韓国サムスン電子傘下の投資会社、サムスンベンチャーズ(Samsung Ventures)などの出資者から600万ユーロ(約10億1400万円)の追加資金を調達したと発表した。同社は欧州の国際半導体研究開発機関であるベルギーのIMEC(アイメック)からスピンオフした企業で、世界初の空間AI(人工知能)コンピューティング向けホログラフィックディスプレイプラットフォームの構築を目指している。今回の協業は、次世代のウェアラブル端末やAIスマートグラスにおける表示技術の鍵となる。
この資金調達は、2024年1月に実施された2700万米ドル(約38億8800万円)のシリーズAラウンドに続くもので、IAG Capital Partnersが主導し、サムスンベンチャーズが戦略的に追加出資した。
調達した資金は、Swaveのホログラフィック拡張現実(HXR)技術の研究開発を加速させるために活用される予定。同社が開発するCMOSベースの回折フォトニクス技術は、世界最小の画素を実現可能で、導波路を必要とせず高品質な3D映像を生成することができる。
SwaveのMike Noonen(マイク・ヌーナン)最高経営責任者(CEO)は、「今回の追加出資は、『空間×AIコンピューティング時代』と、それを支えるディスプレイ技術に対する市場の大きな期待を裏付けるもの。資金により、私たちのホログラフィックディスプレイ技術を次世代空間コンピューティングプラットフォームへと商用展開する動きをさらに加速させていく」とコメントしている。