AIトップ人材の獲得競争過熱、中国は30年に400万人不足
「ChatGPT」に代表される生成AIブームを背景に、中国でもAI人材の獲得競争が過熱の一途をたどっている。マッキンゼー・アンド・カンパニーは、熟練のAI技術者に対する中国の需要は2030年に22年の6倍となる600万人に達し、不足人材は400万人に上ると予測している。上海観察者が25日伝えた。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、百度(バイドゥ)、騰訊(テンセント)、字節跳動(バイトダンス)などの中国の大手テクノロジー企業は、AI、半導体、自動運転といった先端技術の研究強化に向けて、世界範囲でトップ人材を探し始めており、中でもAIは各社が注目する最重要分野となっている。
これらの企業は「競争力のある報酬」や「包括的な研修」を提供することを条件に、世界で最も優秀な人材の獲得を狙っているが、欧米のテック大手や学術界もこれらの優秀人材を欲しており、AI研究者は地政学的意義において世界でもカギを握る最重要人材となっている。
AIを手掛けるカナダの新興企業Element AIが発表した推計によると、世界には2万2400人のトップAI人材が存在する。そのうちの約半分を占める米国に1万295人が分布し、2番目に多い中国の2525人をはるかに上回っている。ただ近年は中国の吸引力も高まっており、22年の調査では、「トップ2%のAI人材が働いている国」で中国の比率は12%に上昇した。
求人サイトの拉勾招聘の集計によると、今年1~5月に中国国内で採用されたAI技術者の平均月給は2万元(約42万円)を超えた。中でもAI生成コンテンツ(AIGC)向けのアルゴリズムを設計・開発するAIGCアルゴリズムエンジニアは4万1796元で最も高かった。