米エヌビディアの中国向け新半導体、販売苦戦か

米半導体大手、NVIDIA(エヌビディア)が今年第2四半期にも投入予定とされる、米政府の輸出規制に対応した中国向け人工知能(AI)用半導体に関して、中国メディアの集微網は11日付けで、販売は苦戦するとの見方を報じた。

NVIDIAは、米国の新たな規制に準拠した高性能AIチップ「HGX H20」、「L20 PCIe」、「L2 PCIe」を中国市場向けに発売する予定。そのうち「H20」は今年第2四半期に量産を開始する計画とされる。

しかし、すでに「H20」のサンプル品を入手した中国企業は、製品試験の結果を踏まえて、「H20」の発注を大幅に減らし、一部の高性能AIチップの発注先を華為技術(ファーウェイ)などの中国企業に切り替えたという。

業界関係者は「H20」が歓迎されない理由として、輸出規制に引っかからない程度にまで性能を抑えたにも関わらず、価格が割高なことや、消費エネルギーが高いこと、供給網のリスクなどを指摘した。

事実、中国IT大手は、中国市場のシェア奪還を狙って投入する「H20」の調達に及び腰だ。アリババとテンセントは、今年に調達する高性能AIチップは、米政府によって中国向け輸出が規制された「A800」と「H800」の当初の調達計画よりもはるかに少ないと表明している。中国のインターネット企業が23年にNVIDIAに向けて発注したAIチップは、金額にして50億米ドル(約7,272億円)だった。

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