中国の蘭製リソグラフィー装置輸入額、11月は前年同月の11倍

香港の英字紙『サウスチャイナモーニングポスト』の報道によると、中国が2023年11月にオランダから輸入した半導体露光(リソグラフィー)装置の総額は前年同月の11倍に急増した。

記事によると、中国の11月のリソグラフィー装置輸入は、台数が42台、総額が8億1,680万米ドル(約1,164億7,400万円)。うちオランダからの輸入は16台で、総額は前年同月比1050%増の7億6270万米ドルだった。

10月のオランダからの輸入は、台数が21台だったのに対し、総額は6億7,250万米ドルだったことを踏まえると、11月にオランダから輸入した装置の平均価格は10月と比べて46%上昇した計算となる。

一部のアナリストは、中国のリソグラフィー装置の輸入台数と輸入額がここ数カ月で急増している背景として、最大手リソグラフィー・メーカーであるオランダのASMLが、オランダの対中半導体装置輸出規制強化を前に、中国向けの出荷を急いでいることが関係しているとの見方を示している。

オランダ政府は9月1日、先端半導体製造装置に対する追加の輸出管理規制を施行した。これを受けてASMLは、2024年以降、DUV(深紫外線)を使った先端的な一部リソグラフィーの対中輸出ができなくなる。ただASMLはオランダ政府から、新規制の下でも2023年末まで顧客と契約済みの上記露光システムを中国に出荷できる許可を個別に得ている。

中国が11月に輸入したリソグラフィー装置42台のうち、15台は日本のキヤノンとニコンの製品で、また11台はオランダと日本以外の国から輸入した中古品だった。

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