中国が超薄板ガラスの国産化を実現、新疆で1本目ライン稼働
中国で1本目となる超薄板ガラス(UTG)の生産ラインがこのほど新疆ウイグル自治区アクスで稼働した。中国がまた一つ、ディスプレイ重要材料の国産化を実現したことになる。新疆テレビなどが伝えた。
大画面を楽しめる折り畳みスマホの人気が世界中で高まるなか、折り畳みスマホに採用される、しなやかで耐久性に優れた超薄ガラスの需要は拡大している。中国のスマホメーカーはこれまで、超薄ガラスを輸入するか、または一般的な厚さのガラスを薄型に加工すする工程をたどっており、コストが高く、事業効率も悪かった。
新疆で稼働した生産ラインは、ガラス基板大手の東旭集団(北京市)が建設した。自社開発によって、超薄板ガラスの成形技術を掌握し、中国のハイエンドディスプレイ材料分野における空白を埋めた。
投資額は25億元(約519億円)で、2期に分けて建設。30μm、50μm、70μm厚の超薄ガラス基板の半製品を年間300万枚、完成品を576万枚生産する。
調査会社IDCによると、2023年第3四半期(7~9月)の中国の折り畳みスマホ出荷量は、前年同期比90.4%増の196万台だった。IDCは中国の折り畳みスマホ市場は2027年に1,500万台に迫り、年間複合成長率は37.8%に達するとの予測を示している。