台湾電子部品商社の文曄科技、同業の富昌電子を38億米ドルで買収

富昌電子の電子部品取引サイト

台湾の大手電子部品商社の文曄科技は14日、同業の富昌電子(Future Electronics)の発行済み全株式を取得することで最終合意に達したと発表した。買収額は38億米ドル(約5,614億円)で、全額を現金で支払う。

文曄科技の鄭家強・董事長兼最高経営責任者(CEO)は同買収について、「2社にとっての変革であり、電子部品業界のビジネスエコシステムにとって大きな意義がある」とコメントした。

業界関係者によると、富昌電子が買収されるとの観測は以前からあった。富昌電子はこれまでに多くの半導体メーカーに身売りの打診を行ったが、価格面で折り合いがつかずに交渉がまとまらなかった経緯がある。しかし、昨年下半期に半導体景気が急速に下降し、末端の在庫が大幅に増えるなか、同社を含む多くの電子部品卸売業者はメーカーの要望もあって、手元在庫を抱え込むようになった。米国の利上げで利払いが増えたことも重なって、今回の身売り成立に至ったとみられる。

資料によると、富昌電子は1968年の設立。カナダケベック州のモントリオールに本社を置き、米州、欧州、アジア、アフリカ、オセアニアの44カ国・地域に169の支店を展開する。傘下に台湾創先電子を擁する。

中国メディアの広東芯智訊によると、米調査会社ガートナーがまとめた半導体・電子部品商社の2019年版売上高ランキングは、米アロー・エレクトロニクスが首位となり、以下、2位が台湾の大聯大控股(WPGホールディングス)、3位が米アヴネット、4位が文曄科技で続いた。富昌電子は7位だった。

文曄科技は昨年4月、100%子会社のWT Semiconductor Pte. Ltd.を通じて、シンガポールの同業Excelpoint社の買収に乗り出し、同年末に同社を100%傘下に収めた。

富昌電子を買収後、文曄科技の世界ランキングは上位3位に食い込む。もっとも、ライバルとなるアジア首位の大聯大控股は、文曄科技の株式19.97%を保有する上位3位株主となっている。

携手Future,文晔启动全球布局

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