デジタル人民元で給与支払いも、成都市

四川省成都市はこのほど、デジタル通貨による「お年玉」を一部市民に配布したもようだ。同市は中国人民銀行(中央銀行)から中国初の人民元による法定デジタル通貨(DCEP)の運用テスト地域のひとつに選ばれており、システムの構築を進めてきた各銀行が段階的な運用を始めている。9日付蓉城政事が伝えた。

中国人民銀が2019年12月にデジタル通貨の運用モデル地区に指定したのは、成都市のほか、広東省深セン市、江蘇省蘇州市、河北省雄安新区の全国4都市。このうち成都市では、中央銀行が主導する形で中国銀行、農業銀行、工商銀行、建設銀行、交通銀行、中国郵政儲蓄銀行の6行が観光や各種行政サービスなどの分野でデジタル元を使えるようにシステムの準備を行っていた。

中国銀行は、大手通信キャリアの中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)と提携し中国初のデジタル元で高齢者向けサービスが享受できる管理プラットフォーム「錦欣康養」を構築。高齢者が「スマートブレスレッド」を携帯することで、情報の相互共有を実現。高齢者の健康管理をモニタリングするほか、位置情報による緊急呼び出しなどをサポート。高齢者向け施設の管理効率を高め、利用者に安全で便利な支払い体験を提供している。

農業銀行は、デジタル元による請求システム(BMP)機能を構築し、すでにチェーンスーパーの「紅旗連鎖超市」など3,000以上の店舗で運用テストを開始している。市民は同行が設置した決済地点で公共料金の支払いにデジタル元を使えるようになった。雨潤国際農産品市場内では、数カ所にデジタル元の決済カウンターを開設しているという。

建設銀行は市内のチェーン店など4,500近い店舗にデジタル元決済サービスを導入。郵儲銀行も約300店舗でデジタル元決済を導入している。工商銀行ではデジタル元を使った個人給料の代行支払いサービスを実現。成都市新津区では中国で初となるワンタッチで給料を支払う「一鍵発薪」を実現した。

成都已有地区用数字人民币发工资

商务部印发《全面深化服务贸易创新发展试点总体方案》

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