田中貴金属工業、四川省で燃料電池用電極触媒を生産へ

田中貴金属工業が生産する固体高分子型燃料電池用(PEFC)電極触媒(同社リリースより)

貴金属大手TANAKAホールディングス(東京都千代田区)は12日、傘下で産業用貴金属事業を手掛ける田中貴金属工業が中国の関連会社である成都光明派特貴金属(四川省成都市)と、燃料電池(FC)用電極触媒製造技術に関する技術援助契約を締結したと発表した。

成都光明派特貴金属の子会社、雅安光明派特貴金属2024年夏から本格稼働開始予定の工場内に燃料電池用電極触媒の生産設備を設置し、25年中には中国国内向けに生産を開始する予定だ。田中貴金属工業は燃料電池用電極触媒で世界トップクラスのシェアを持つ。増加する中国での燃料電池用電極触媒の需要に本格対応することになる。

また、田中貴金属工業の湘南工場内のFC触媒開発センターでは現在、固体高分子型燃料電池用(PEFC)と固体高分子型水電解用(PEWE)の電極触媒を開発・製造している。

PEFCは、燃料電池自動車(FCV)や家庭用燃料電池「エネファーム」などで使用されており、今後はバスやトラックのような商用車、フォークリフトなどの荷役自動車、建設重機、ロボットなどの産業機械、大型定置用途などで使用の拡大が期待されている。PEFCは小型軽量で高出力を発揮でき、水素と酸素の化学反応を利用したこれからの地球環境にとって重要な発電デバイスとなる。

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