中国の港湾がスマート化、AIや5Gの活用で自動・無人化を実現

5Gを活用するなど中国では港湾業務のスマート化が進められている(天津港集団のサイトより)

中国で港湾のスマート化が進んでいる。天津港第2コンテナふ頭は世界初の「スマート・ゼロカーボン港湾」として、コンテナの輸送から船積みまでの作業の全面無人化が実現している。

天津港を運営管理する天津港集団は、自動コンテナ管理技術や人工知能輸送ロボット(ART)などの導入により、独自のスマート港湾システムを構築するとともに、風力発電機や太陽光発電機を設置し、港湾作業にクリーンな電力を供給する体制を整えた。

ARTは、LiDAR(ライダー)、カメラ、超音波レーダー、ミリ波レーダーなどの多くのセンサーを搭載。中国独自の衛星測位システム「北斗」を活用し、障害物を検知しながら自ら走行ルートを決めて進むことができる。第5世代移動通信システム(5G)を使った遠隔操作も可能だ。

天津港では、風力・太陽光発電設備によって発電される電力は年間9,000万キロワット時に達し、消費電力の100%をクリーン電力で賄える。二酸化炭素(CO2)排出削減効果は年間7万5,000トンと、21万本の植樹に相当する。

天津港は、北京・天津・河北エリア、および「三北」(西北、華北、東北西部)エリアの海の玄関口であり、中国の広域経済圏構想「一帯一路」の海と陸の連結点でもある国際ハブ港で、世界の港湾ランキングで常に上位10位内に入る。144本のコンテナ路線が乗り入れており、世界180カ国・地域の500港湾と貿易の往来がある。

天津港集団の22年の貨物量は前年同期比2.7%増の4億7,100万トン、コンテナ取扱量は前年同期比3.7%増の2,100万8,000TEUだった。今年上半期(1〜6月)のコンテナ取扱量は前年同期比8.0%増の1135万3,000TEUとなり、同期間として過去最高を記録した。

天津港电子商务网

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