中国のEV充電料金、各地で値上げの動き相次ぐ 値上がり幅87%も

中国の河南省鄭州市や上海市などで、電気自動車(EV)充電料金が大幅に上昇している。値上がり幅が87%に達する地域も出てきた。EV充電に使用される電力価格の区分が変わったことや、EV充電スタンド運営企業の苦しい台所事情が背景にあるようだ。

毎日経済新聞によると、鄭州市のタクシードライバーは「(充電料金は)1日で15~16元(約294~313円)、1カ月で400~500元も値上がりした」と吐露。別のタクシードライバーは、「1回当たりの充電料金は、たばこ1カートン分跳ね上がった」と悲鳴を上げた。

充電料金の値上がりが招いた要因に対する業界の共通認識は、工業・商業用電力制度の変更だ。大型充電スタンドで使用する電力は今年6月から、割高に設定されている工業・商業用電力に組み入れられた。

電力負荷の角度でみれば、今年の酷暑も料金値上がりを助長しているとみられる。

EV充電スタンドの料金は、充電料金とサービス料金の二階建て構造となっているが、今回の値上げでは、サービス料金を引き上げる動きも一部の地域でみられる。サービス料金はスタンド運営コストの補填に充てられるもので、薄利さらには赤字が続くスタンド経営の苦しい現状も浮かび上がる。

もっとも、充電サービス料金は、現地の電力料金と現地の物価局が定めた範囲内で設定することが定められており、大幅に引き上げることはできない。中信証券は、充電スタンド運営企業の収益力は、充電器の稼働率が鍵を握るとリポートしている。

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