中国の中央政治局会議、「AIの安全な発展を促進」

中国共産党は24日、下半期の経済政策の方向を定める中央政治局会議を開き、「人工知能(AI)の安全な発展を促進していく」とする政策指針を発表した。専門家は「安全な発展」という表現について、革新的な発展と、規範的な発展という2つの理念を有機的に統一させたものであると指摘した。

昨年12月に公開された生成系AI「ChatGPT」の爆発的人気を背景に、AIの活用の可能性や、膨大なテキストデータを学習する大規模言語モデル(LLM)への注目は高まっている。

25日付澎湃新聞によると、華東政法大学競争法研究センターの翟巍執行主任は、「AIは世界的にし烈な競争が繰り広げられる新興産業であり、AI産業の発展動向は、国家のコア競争力を測る重要指標だ。しかしながら、AIは“諸刃の刃”の特徴を持つ新生技術であり、無秩序な発展は人類と社会の安全を脅かす」と指摘。「安全な発展」は、「発展を促進する」という最終目標だけでなく、安全確保を前提とすることを強調したものであり、事前的な防止措置を採ることでトラブルを回避するという、くさびを刺す意味合いをもつと解説した。

AI専門家の郭涛氏は、「AIの開発・活用に関する法律法規や、業界基準、倫理的ルールなどはまだ不完全だ。AI産業には個人情報やデータの流出、著作権の侵害、差別・偏見・問題発言の混入など、さまざまなリスクが存在し、業界の長期的で健全な発展を制約している」と言及し、生成AIを活用したサービスを始め、AI関連産業の法整備を早急に進めていくべきとの見解を示した。

国家インターネット情報弁公室は7月13日、国家発展改革委員会、工業情報化部、公安部などと共同で、8月15日に施行される「生成人工知能(AI)サービス管理暫定弁法」を発表した。 中国が生成AIの研究開発(R&D)とサービスに関して明確な規定を設けるのはこれが初めて。生成AIサービスを提供する事業者に対し、アルゴリズム設計や訓練データ、ユーザーの個人情報などに関して条件を設定する一方で、生成AI産業を支援していく国の方針を明確に示している。

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