中国でAIと医療の融合が加速、20年は転換期に
中国で人工知能(AI)による医療分野での研究開発(R&D)や実装実験が加速し、2020年は大きな転換期となったもようだ。中国の双喜妹美食サイトが伝えた。
近年、中国ではAIによる医療業界の高度化が進められてきた。院内での臨床意思決定支援システム、手術用ロボット、知的病理システム、医療画像診断、医薬品の開発と遺伝子検査などの分野に、医療機関やIT大手企業が次々と参入している。
1956年にAIが独立した研究分野として始まった当初は、世界のAIの医療分野の研究は臨床知識の集積のみだった。当時の集積データはLISP(コンピュータ・プログラミング言語)で作動していたため、インターネットに接続できず、データを臨床で応用することは困難な状況だった。
2015年前後から世界で多くの研究者や技術者が医療画像診断業界に参画し、AIと医療を組み合わせた技術革新がブームとなっている。中国ではAIによる医療技術革新が急速な成長段階に入り、より多くの実装が進められてきている。AIの画像認識の精度が向上すると、臨床の蓄積データを活かした臨床意志決定支援システム(CDSS)も成熟した。
AIと医療ソフトウェアサービスの融合市場全体の規模は19年に20億元(約320億円)を超え、前年同期比93.9%増。このうちCDSSが55.2%増と最も多い伸びを示した。
ただ、19年以前は、収益モデルが明確ではなかったため、医療市場は一時期低調となったが、20年の新型コロナウイルスの感染拡大によって、CTR画像による肺炎診断など必要性が急速に高まった。中国政府が3種類のAI診断技術の証明を発給したほか、さらにAIによる医療の発展を推奨する政策を打ち出したことで、市場は再び成長期に入っている。
中国の調査機関iResearchによると、20~22年のAIと医療ソフトウェアサービスを組み合わせた医療市場の年CAGR(年平均成長率)は51.9%に達すると推定。22年には市場規模が70億元(約1,112億円)を超えると予想されている。