半導体検査装置の需要拡大、中国で国産化への期待高まる
米中の貿易摩擦が長期化するなかで、中国で半導体検査装置の需要が大幅に増えている。同装置の国産化が進めば、ファウンドリー(半導体の受託製造)の半導体の量産化も後押しする可能性もある。
財聯社によると、中国の投資銀行、中国国際金融有限公司(中金公司、CICC)は23日に発表したリポートで、中国で半導体検査装置の需要が大幅に増えていると指摘した。半導体の複雑化に伴なってプロセスラインの幅が縮小し続け、2次元平面構造から3次元構造への転換が進む中、半導体検査装置の需要が大幅に増加している。同装置の国産化はファウンドリー(半導体の受託製造)の量産化を強く後押しするとの見解を示した。
東呉証券が年初に発表したリポートによると、中国では、前工程向け半導体検査装置の国産化率は足元で極めて低い。ファウンドリーの華虹半導体と上海積塔半導体が2022年1~10月に実施した新規調達では、中国製の採用率が8%にとどまった。米中貿易摩擦が長期化するなか、中国のファウンドリーは設備の国内調達率を高めていくと予想され、検査装置市場は国産化の好機を迎えそうだ。
株式市場は半導体検査装置セクターが活況を呈している。フラットパネルディスプレー(FPD)用検査装置を手掛ける武漢精測電子集団(湖北省武漢市)の株価は、今年1月3日からの上昇率が140%に達した。
中国では、深セン中科飛測科技股フン(広東省深セン市)、上海精測半導体技術(上海市)、東方晶源微電子科技(北京)股フン(上海市)、睿励科学什器(上海)(上海市)、蘇州賽騰精密電子股フン(江蘇省蘇州市)、上海微電子装備(集団)股フン、深セン市埃芯半導体科技(広東省深セン市)、南京中安半導体設備(江蘇省南京市)などの半導体設備メーカーが、検査装置分野に積極参入し、現在主流の装置をほぼ網羅している。蘇州天准科技(江蘇省蘇州市)もこのほど、出資先企業が前工程向け検査装置の開発を進めていると発表した。
また半導体装置関連企業としては、エッチング装置の中微公司、バックチャネルシミュレーションテスト装置の華峰測控、SoC(システムオンチップ)テスト装置の長川科技、SoCテスト装置のサプライヤーである華興源創などが注目されている。
米調査会社Gartnerによると、世界における2020年の半導体検査装置分野の企業別市場シェアは、米KLAテンコールが51%でトップ。2位以下は、アプライドマテリアルズ(米国)が11%、日立ハイテク(日本)が9%、レイテック(日本)とイノベーションテクノロジー(米国)がそれぞれ6%などとなっている。