中国のコンピュータービジョン市場規模、25年に6,000億元迫る
画像や動画から情報を抽出するコンピュータービジョン領域において中国の市場が拡大している。国海証券はこのほど発表したリポートで、同技術を活用した製品の市場規模は、21年の990億元(約1兆9,290億円)から25年に1,873億元へと拡大し、同製品がもたらす関連産業の市場規模は、同3,079億元から5,771億元に拡大するとの予測を示した。
財聯社が16日伝えた。米Meta(メタ)のAI部門であるMeta AIは現地時間5日、画像の中のオブジェクトを特定するセグメンテーションを行なう専用人工知能(AI)モデル「SAM(Segment Anything Model)」を発表した。Metaは同モデルとデータセットをGitHub(ギットハブ)でオープンソース化する予定で、コンピュータービジョンの汎用モデルの研究を深化させると期待されている。
NVIDIA(エヌビディア)のAIサイエンティストであるジム・ファン氏は、Metaの今回の成果を「コンピュータービジョン領域の“GPT-3”」と形容。セグメンテーションの方法は汎用が可能で、かつ複数の種類の情報を一度に処理するマルチモーダル技術が初歩的に実証されたと指摘した。
■センスタイムがシェア47%
中国のコンピュータービジョン市場は、2021年上半期現在、商湯科技(センスタイム)がシェア47%で断トツの首位。以下、曠視科技(メグビー)が8%、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)が7%で続いている。
その他、コンピュータービジョンの関係業務を手掛けている、または投資する予定があるとされる国内上場企業には、美亜柏科、虹軟科技、創維数字、潤和軟件、国科微、全志科技、超図軟件、凌雲光、創業黒馬、中科創達、雲鼎科技、智微智能、中科通達、移遠通信、奥普特、克来機電、国聯股フンなどがある。
国海証券によると、コンピュータービジョン関連で注目すべき国内企業は以下。SAMモデルでは韋爾股フン、龍迅股フン、晶方科技、富瀚微、思特威、格科微などチップ業界が注目され、光学やレンズモジュールでは高偉電子、舜宇光学、宇瞳光学、永新光学などが関係企業としてある。ビジョン関係では虹軟科技、工業ロボット向けビジョンでは奥比中光、凌雲光など、AR・VR関係の上場会社では立訊精密、歌爾股フン、水晶光電、創維数字、兆威機電、長盈精密などがある。