米エヌビディア、6社と大規模な増産計画 基板生産能力を3年で2.5倍に

米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)は21日、米Amkor Technology(アムコー)、日本のイビデン、韓国サムスン電機、台湾の矽品精密(SPIL)、京元電子(KYEC)、欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)のサプライヤー6社と大規模な生産能力拡張に関する契約を締結したと発表した。対象は基板、先端パッケージング、半導体検査、光エンジンの4つの製造工程に及ぶ。
今回の生産能力拡張で中核となるのは、半導体パッケージ基板だ。エヌビディアは今後3年間で、製品向け基板の生産能力を現在の2.5倍に引き上げる計画で、3社との契約がこの目標を支える。
日本のイビデンには、数十億ドル規模の生産能力確保に向けた前払い金を提供し、大野工場の増産投資を支援する。目標生産能力は現行の3倍で、増強分の立ち上げは2028年1~3月期に始まる見通しだ。
サプライチェーンに新たに加わるサムスン電機は、韓国国内の既存生産ラインから直ちに供給を開始するとともに、世宗市と釜山市の両拠点で工場の高度化や新設を進める。2028年までに、エヌビディア向けの生産量が同社のパッケージ基板の年間総生産能力に占める割合は、かなり大きくなると見込まれる。
台湾のユニマイクロン・テクノロジーによるKF基板の増産は、さらに早いペースで進む。新たな生産能力は2027年4~6月期から寄与し始め、2028年半ばにはフル稼働に達する見通しだ。
先端パッケージング分野では、エヌビディアとアムコーが韓国におけるインターポーザー用ウエハーの生産能力を、2028年末までに300%超引き上げる計画だ。米ヤフー・ファイナンスによると、アムコーは同日、13億ドルの新規契約にも署名した。これにより、エヌビディアとの関連契約の総額は30億ドルに達した。
半導体検査分野でも、積極的な能力増強を進める。エヌビディアは2026~2027年にかけて、検査能力全体を2倍に引き上げる見通しだ。京元電子には11億ドルの生産能力確保に向けた前払い金を支払い、米国での新たな検査施設の建設を支援する。同施設は2027年4月の量産開始を目指す。シンガポールでの検査能力増強については、2027年2月の量産開始を目標としている。
今回、最も大幅な増産が計画されているのが光エンジンだ。エヌビディアはSPILと協力し、台湾における光エンジンの生産能力を2027年半ばまでに現行の15倍に拡大し、2028年末にはさらに2倍に引き上げる方針だ。
こうした大規模な増産計画は、光電融合技術の一つであるCPO(Co-Packaged Optics、光電融合パッケージ)の本格的な普及を見据えたものだ。光インターコネクト(光接続技術)が、AIネットワークを支える補完的な選択肢から、標準的な構成要素へと移行しつつあることを示している。




