⭕️米政府研究所、中国製LiDARの安全性を調査 米国での普及を見据えサイバーリスクを検証

米エネルギー省(DOE)傘下の研究所が、中国製のLiDAR(ライダー)センサーが米国の車両に広く採用された場合、安全保障上のリスクをもたらす可能性があるかどうかについて調査を進めていることが分かった。TechCrunchによると、調査はアイダホ国立研究所(INL)が担当している。
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TechCrunch
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関係筋2人によると、今回の調査は電気自動車(EV)および自動運転業界の企業1社または複数社が資金を提供しているという。ただ、具体的にどの企業が支援しているかは明らかになっていない。

中国製LiDARの採用を検討していると報じられているRivian、ゼネラル・モーターズ(GM)、Ford、Kodiak、Lucid Motors、Nuro、Uberなどは、調査の存在を把握していないと回答した。一方、NVIDIA、Zoox、Auroraは関与の有無についてコメントしていない。INLも調査についてコメントを控えており、中国の主要LiDARメーカーであるHesai(禾賽科技)とRoboSense(速騰聚創)も複数回の問い合わせに回答していない。
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TechCrunch
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自動運転の「目」となるLiDAR

LiDARは「Light Detection and Ranging(光による検知・測距)」の略称で、レーザー光を照射し、周囲の物体までの距離を測定するセンサー技術だ。車両周辺の状況を高精度に把握できることから、自動運転システムの主要なセンシング技術の一つとして利用されている。

今回の調査は、米国内で中国製LiDARの利用を制限・禁止すべきだとの声が強まるなかで進められている。米議会では関連法案の策定も進んでおり、中国製LiDARを巡る安全保障上の懸念が政策課題として浮上している。
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TechCrunch

INLは国家安全保障や重要インフラの保護に関する研究も手掛けている。実際、同研究所では通信インフラの大規模なセキュリティー研究や試験を行っている。
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The Department of Energy’s Energy.gov

中国製LiDARを巡り「データ流出」などを懸念

米国側で特に問題視されているのが、サイバーセキュリティーと国家安全保障への影響だ。

ウィスコンシン州選出の民主党上院議員タミー・ボールドウィン氏は、ノースカロライナ州選出の共和党上院議員テッド・バッド氏とともに「敵対勢力からインフラを守る法案(Securing Infrastructure from Adversaries Act)」を推進している。ボールドウィン氏は、中国製LiDARが軍事・産業スパイ活動に利用される可能性を主な懸念事項として挙げている。
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TechCrunch
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一方、LiDAR業界関係者からは、別のリスクも指摘されている。例えば、センサーが外部から大規模に停止させられれば、自動運転車の運行に支障をきたす可能性がある。また、LiDARが収集する周辺環境の高精度データが、通信機能を介して外部に送信される可能性についても懸念が示されている。

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もっとも、こうした懸念の一部については、現時点で具体的な証拠が示されているわけではなく、あくまで安全保障上のリスクとして検証が進められている段階だ。

中国勢の低価格攻勢が米国での採用拡大を後押し

中国製LiDARが米国で注目を集める背景には、価格競争力の高さがある。

中国のHesaiやRoboSenseなどは、生産規模の拡大とコスト競争力を武器にLiDARの価格を大幅に引き下げてきた。これにより、これまで高価だったLiDARを自動運転車に搭載しやすくなり、米国の自動車・自動運転企業の間でも中国製品を採用する動きが広がっている。

米国企業にとっては、中国製LiDARの価格競争力が魅力である一方、サプライチェーンへの依存度が高まれば、安全保障上のリスクも増すことになる。このため、米国では「低コストで高性能なセンサーを採用するメリット」と「中国製技術への依存を避ける必要性」の間で難しい判断を迫られている。

米国の規制強化がLiDAR市場の分岐点に

中国製LiDARを巡る規制環境も変化している。米国では、中国企業が関与する通信・車載技術について安全保障上の懸念が強まっており、政府機関も中国関連機器のリスク評価を進めている。米政府機関を対象とした調査でも、中国と関連する通信・監視機器について脆弱性を確認し、対策を進めているケースが報告されている。

今回のINLによる調査が、将来的な規制強化につながるかどうかは現時点では不透明だ。ただ、中国製LiDARの米国市場への普及が進めば、単なるコストや性能の問題にとどまらず、データセキュリティーやサプライチェーン、安全保障を含めた議論が一段と活発になる可能性が高い。

米国の自動運転産業にとって、中国製LiDARはコスト低減を実現する有力な選択肢である一方、規制リスクを抱える技術でもある。今後の調査結果と米議会の動向が、米国におけるLiDARのサプライチェーンを左右する重要な材料となりそうだ。

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