米エヌビディアが6G戦略を展開、中国の基地局メーカーを急募か

米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)は、AI(人工知能)半導体とソフトウェアエコシステムにおける支配力を活かし、6G(第6世代移動通信システム)ネットワークの技術基盤を確保しようとしている。中国で提携先となる基地局メーカーを探し、海外市場の要件を満たす6G基地局の開発を進めている。

界面新聞によると、NVIDIAは中国の基地局メーカーを積極的に物色しており、エッジコンピューティング分野で重要な役割を果たせるパートナーを見つけたいと考えているという。同関係者は、NVIDIAがエッジコンピューティング分野における「次の中際旭創」を探していると表現した。

世界的な光モジュール大手である中際旭創は、AIコンピューティング需要が急増した時期に、高速光通信技術によりNVIDIAのサプライチェーンにおける主要な受益者となり、株価と業績がともに急上昇した。NVIDIAは明らかに、基地局分野でもこの成功パターンを再現したいと考えている。

NVIDIAは、今後、演算能力がデータセンターから膨大な数のAI端末やユーザーへと伝送されるようになり、最終的には基地局による無線伝送に依存することになると考えている。生成AIがエッジ側へ浸透するにつれ、自動運転、スマートロボット、AIスマートフォンなどの端末における低遅延・高帯域幅の無線接続への需要が急増しており、クラウドの計算能力とエンドユーザーをつなぐ「ラストワンマイル」としての基地局の戦略的価値がますます際立っている。

NVIDIAが基地局側に自社のGPU(画像処理半導体)とCUDAエコシステムを組み込むことができれば、クラウドでのトレーニングからエッジでの推論、さらには端末アプリケーションに至るまでの全リンクにわたる計算能力の閉ループを構築できる見込みだ。

NVIDIAはこのプロジェクトを「比較的急ピッチ」で推進しており、2027年または28年に試験ネットワークへの参入を目指している。このスケジュールは、世界的な6G標準化の進捗と高度に合致している。現在、3GPPなどの国際機関は30年頃に6G規格の機能凍結を完了する見込みであり、27年から28年にかけては、各国が6Gの屋外試験を開始する重要な時期となる。NVIDIAはこの絶好の機会を逃すまいとしており、AIコンピューティング分野での強みを活かし、6Gネットワークアーキテクチャの中核的な地位を早期に確保したいと考えている。

報道によると、NVIDIAの中国における基地局パートナーのうち、深セン佳賢通信はすでに実質的な協力段階に入っている。同社の内部関係者は、NVIDIAが25年から同社と接触しており、現在双方がNVIDIAのCUDAエコシステムを基盤として6G AI-RAN基地局を共同開発しており、協力関係はすでに半年以上続いていることを確認した。

AI-RAN(人工知能無線アクセスネットワーク)は6Gの中核技術の一つであり、その理念はAIの演算能力を基地局側に直接組み込み、基地局を単なる信号送受信装置にとどまらず、エッジコンピューティングノードとして機能させることにある。CUDAエコシステムを通じて、NVIDIAはGPUによる高速処理能力を基地局のベースバンド処理、信号変調、リソーススケジューリングなどの工程に導入し、ネットワークのインテリジェンスレベルを大幅に向上させることができる。

佳賢通信のような中国の基地局機器メーカーにとって、NVIDIAとの提携は、国際的な大手企業の演算能力プラットフォームを活用して海外市場を開拓する機会を意味する。一方、NVIDIAにとって、中国のメーカーを選んだ背景には、5G基地局分野で蓄積されたハードウェア製造能力とコスト面での優位性がある。

実際、NVIDIAの通信インフラへの進出は、すでに体系的な展開が進められている。これに先立ち、NVIDIAは通信分野で重要な投資を行ってきた。NVIDIAは25年10月、10億米ドル(約1578億円)を投じてフィンランドの通信機器会社、Nokia(ノキア)の新株を引き受け、約2.9%の株式を取得すると発表した。両社はまた、次世代の6G移動通信技術を共同開発することを目的とした戦略的提携関係を構築した。

ノキア側は、NVIDIAのチッププラットフォームに対応するよう5Gおよび6Gソフトウェアを調整し、AI向けネットワーク技術の分野で協力を展開することを明確に表明した。この提携により、NVIDIAはノキアが持つ世界の通信事業者市場における販売チャネルや顧客リソースを活用し、従来の通信機器分野に迅速に参入することが可能となった。

NVIDIAは今年2月、さらにノキア、エリクソン、T-Mobile、ドイツテレコム、ソフトバンクなどの世界的な通信大手と連携し、オープンでソフトウェア定義、AIネイティブなプラットフォームによる6G構築を提唱した。このイニシアチブは、従来の通信機器メーカーのクローズドなアーキテクチャという課題を直接指摘するものであり、ソフトウェア定義とAIネイティブな設計を通じて、6Gネットワークにより高い柔軟性と演算能力の融合能力を持たせることを提唱している。

Tags: , , , , ,

関連記事