東風汽車、全固体電池が下半期に量産開始

航続距離1,000km超えへ

(武漢経済技術開発区の発表より)

武漢経済技術開発区の9日発表によれば、中国の自動車大手、東風汽車集団の全固体電池が今年下半期に正式な量産・車両搭載を迎える。エネルギー密度350Wh/kgに達するこの電池は、国内で初めて大規模応用を実現した高比エネルギー動力電池で、搭載する新エネルギー車の純電走行距離が1,000キロメートル(km)の大台を突破する見込みだ。この電池は電極材料、固体電解質から電池パック統合に至るまで、コア技術の自主開発率が100%に達しているとしている。

新エネルギー自動車業界において、全固体電池は動力電池の「究極の解決策」として位置づけられてきた。現在市販されているほとんどの乗用車には液体リチウムイオン電池が搭載されており、その構造はサンドイッチ状で、正負極の間に液体電解液が浸透している。液体は電気を伝導する役割を果たす一方で、大きな安全上のリスクでもあり、車両の衝突や電池の温度上昇が起きると、短絡や自然発火を引き起こしやすい。全固体電池の核心的な革新は、可燃性の液体電解液を固体電解質で置き換えることにあり、発火・爆発のリスクを根本的に排除するとともに、同一体積でより多くの電力を蓄積できる。

現在、業界における全固体電池の主要な技術路線は、ポリマー系、硫化物系、酸化物系の3種類である。このうち、酸化物-ポリマー複合路線は業界内で最も早期に量産化を実現できる方案として認められている。この路線は原材料の量産が成熟しており、コストが低く、既存の自動車メーカーの生産設備との適合性が極めて高く、近2年以内に大規模普及が可能である。これに対して硫化物系路線は理論的な性能は優れているが、技術開発の難度が高くコストも大きく、産業化までにはまだ長い道のりがある。

技術から量産への完全な道筋を切り開くため、東風汽車は8年間にわたる粘り強い研究開発を続けてきた。東風は早くも2018年に全固体電池プロジェクトチームを設立した。2025年6月には東風固体電池試験室が完成・稼働し、0.2GWhのパイロットラインが順調に稼働を開始し、「試験室-試作ライン-パイロットライン」を一体化した研究開発・生産基地が構築された。量産における最大の課題である固体電解質界面の内部抵抗の高さに対して、研究開発チームは電池セルと電解質の接触界面の最適化、指向性圧力逃がし排気、熱電分離などの複数の技術を組み合わせることで、量産上のボトルネックを一つひとつ解消した。

厳格な実測データがこの電池の実力を裏付けている。今年初め、350Wh/kgの全固体電池を搭載した東風奕派の試験車が漠河(中国最北端の都市)に赴き、70項目以上の極寒テストを完了した。結果によれば、マイナス30℃の極端な環境下でも電池の残存電力は74%以上を維持し、低温性能は従来のリチウムイオン電池比で10%以上向上した。安全性の面では、国家標準の130℃を大幅に上回る170℃の高温加熱に耐え、50%の圧縮変形後も安定した動作を維持した。また、電池パック全体の重量は従来のリチウムイオン電池比で30%軽量化されており、「容量増・重量不変」を真に実現している。

東風汽車研究開発総院先行技術研究院の固体電池室責任者・張薇氏は「すべてのコア技術は自主開発によるもので、自主開発率は100%、350Wh/kgの全固体電池はすでに安定した量産体制に入っている」と述べた。技術の産業化をさらに加速するため、今年5月、東風は武漢大学・華中科技大学など18の大学・企業を結集して湖北省固体電池産業技術革新連合体を設立し、技術の継続的なイテレーションとエコシステム構築に全方位的な支援を提供する体制を整えた。

現在、研究開発チームは急速充電型全固体電池および一層高いエネルギー密度を持つ車載グレードの新型電池技術の開発に全力を注いでいる。計画では、2027年に東風の次世代高比エネルギー電池が正式に車両搭載される予定であり、新エネルギー自動車の航続距離と安全性の上限を継続的に更新していく。

东风全新固态电池下半年量产装车 续航突破1000公里 核心技术全国产

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