SMIC、中芯北方の49%株式を406億元で取得
科創板最大の組織再編記録を更新

ファウンドリー(半導体の受託製造)大手の中芯国際集成電路製造(SMIC、上海市)による中芯北方集成電路製造(北京)の49%株式を406億元100万元(約9338億円)で取得する案件について、上海証券取引所の合併・組織再編審査委員会は許可した。科創板(スターマーケット)設立以来最大規模の株式発行による資産取得取引で、国産ウエハー受託製造業界史上最大の合併・買収案件となる。取引完了後、SMICの中芯北方に対する持株比率は51%から100%に引き上げられ、完全子会社化が実現する。
SMICが以前開示した組織再編予備案および重大資産再編報告書によれば、SMICは国家集成回路産業投資基金股フン・北京集成電路製造和装備股権投資中心・北京亦庄国際投資発展・中関村発展集団股フン・北京工業発展投資管理の5名の中芯北方株主に対して株式を発行し、これらが合計保有する中芯北方の49%の株式を取得する。
審査の進捗という観点から見ると、この合併・組織再編案件の審査推進速度は非常に迅速だった。2025年8月29日にSMICがA株発行による中芯北方の少数株式取得を計画すると公告し、9月8日に正式に合併予備案を開示して9月9日から取引を再開した。26年2月25日に上海証券取引所が正式に受理し、3月9日にSMICが上海証券取引所の照会書を受領、4月28日にすべての照会への回答を完了した。5月11日の組織再編委員会の審議通過まで、全行程で3ヶ月未満だった。
中芯北方は安定した経営期に
中芯北方は2013年7月の設立。SMICと北京市政府および関連産業資本が共同出資した、12インチ集成回路ウエハー受託製造および関連サービスに特化した企業。月産能各3万5,000枚の12インチ生産ラインを2本保有し、総月産能は7万枚に達する。プロセスノードは65ナノメートル(nm)から28nmの成熟プロセスを含み、28nm HKMG(高誘電率金属ゲート)およびPolySiONなどの重要プロセスも持つ。ロジック回路・低消費電力ロジック回路・高電圧ドライバー・組み込み不揮発性メモリ・混合信号/RF・イメージセンサーなど複数のプロセスプラットフォームの量産能力を備えている。
決算データによれば、中芯北方の近年の収益能力は堅調だ。23年度・24年度・25年1〜8月の営業収入はそれぞれ115億7,600万元・129億7,900万元・90億1,200万元で、非経常損益調整後の上場企業の株主に帰属する純利益はそれぞれ5億4,900万元・16億3,000万元・14億6,800万元となった。粗利益率は23年の10.73%から24年の12.50%へと持続的に上昇し、25年1〜8月にはさらに14.74%に上昇した。同期間のEBITDA利益率は50%前後で安定的に推移し、それぞれ49.94%・51.64%・52.58%となった。25年1〜8月の中芯北方の稼働率はすでに100.76%に達しており、受注状況が良好であることを示している。
連携の障壁を排除
取引前、SMICは中芯北方の51%の支配株主として財務連結は実現していたが、生産能力配分・技術アップグレード・顧客スケジューリングなどの重要な経営上の意思決定においては、依然として残りの49%の株主の利益を調整する必要があった。完全子会社化後、SMICは中芯北方の生産能力に対して完全かつ統一的な調整権を持つことになり、潜在的な経営連携の障壁を排除し、全体的な運営効率と意思決定の柔軟性を向上させることができる。
プロフォーマ財務データによれば、今回の取引完了後、SMICの24年度の上場企業の株主に帰属する純利益は36億9,900万元から45億2,300万元に増加し、基本的な1株当たり利益は0.46元から0.53元に上昇する。25年1〜8月の親会社帰属純利益は38億9,900万元から46億5,600万元に増加し、基本的な1株当たり利益は0.49元から0.55元に上昇する。取引完了後、SMICは100%の持株比率で中芯北方の経営成果を享受し、親会社帰属純利益を顕著に増加させる。
市場の反応
5月11日、A株の半導体セクターは突破的な相場を迎え、上海総合指数は4,200ポイントの大台を突破し、科創50は約5%の大幅上昇、Wind半導体指数は約6%上昇した。SMICのA株は当日1.84%上昇して122.52元/株で引け、時価総額は6,479億元となり、香港株は4.43%上昇した。
今回の合併・組織再編の迅速な推進は、資本市場の政策的な追い風の恩恵も受けている。中国国務院(中央政府)は24年4月、「監督強化・リスク防止・資本市場の高品質発展推進に関する若干の意見」を発表し、合併・組織再編における資本市場の主導的役割の強化と企業の主要事業を中心とした合併・買収の奨励を提唱した。25年5月には中国証監会が「組織再編管理弁法」を改正し、組織再編の簡易審査手続きを新設してハイテク企業の合併・組織再編への許容度をさらに高めた。
注目すべきは、SMICが現在、国家集成回路産業投資基金・国家集成回路産業投資基金二期などとの新たな合弁契約および増資・株式拡大協議の推進も進めており、大基金三期・先導集成回路基金などを子会社の中芯南方の新たな投資家として引き入れることを計画している点だ。増資完了後、中芯南方の登録資本金は65億ドルから100億7,730万ドルに増加し、中芯南方の負債比率の低下と、グループとしてより健全な財務構造の構築に寄与するとみられている。




