米アップル、インテル・サムスンに主要デバイスチップの製造委託を検討か

5日付米ブルームバーグの報道によれば、米Apple(アップル)は米半導体大手Intel(インテル)および韓国サムスン電子に主要デバイスチップの製造を委託することについて初期的な協議を行っている。また、アップルの幹部はサムスンがテキサス州で建設中の先進チップ工場を訪問したという。

事情に詳しい関係者がメディアに明かしたところでは、現時点で双方の交渉はいずれも非常に初期段階にあり、いまだ何の発注も生じていない。アップルは半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)以外の技術を使用することに懸念を抱いており、最終的には他のパートナーとの協力に踏み切らない可能性もある。

なぜインテルとサムスンなのか

アップルは従来、各コアコンポーネントについて少なくとも2社のサプライヤーを確保することを好んでおり、価格交渉力と供給の安定性において主導権を維持してきた。ディスプレイサプライヤーの多元化戦略はその一例だ。

インテルについては、双方には10年以上の協力関係がある。インテルは2006年から20年までPC「Mac」向けにプロセッサを供給していたが、アップルが自社設計チップへ移行したことで関係が終わった。リップ・ブー・タン最高経営責任者(CEO)にとって、アップルをファウンドリー顧客として獲得することは、インテルのウエハー受託製造事業の再建における重大な突破口となる。

また、一部のアップル幹部はインテルとの協力には政治的な側面もあると考えている。この動きはアップルとトランプ政権との関係改善に資する可能性があり、ホワイトハウスは昨年、インテルへの投資を後押しし、同社を米国半導体産業の「国家チャンピオン」と位置付けている。

サムスンについては、アップルの幹部がテキサス州で建設中の先進チップ工場をすでに訪問している。サムスンはかつてアップルのスマートフォン「iPhone」向けチップのファウンドリーパートナーであり、現在もiPhoneなどの製品向けに多くの周辺部品を製造している。ただし、サムスンはウエハー受託製造市場ではTSMCに次ぐ第2位の位置に留まっている。

チップ不足が成長のボトルネックに

アップルは先週開催された2026会計年度第2四半期の決算説明会において、異例ともいえる形でサプライチェーンへの圧力を公式に認めた。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「サプライチェーンにおける柔軟性は通常より低い状態にある」と述べた。さらに現在の主なボトルネックはメモリではなく、先進製造プロセスノードの供給であり、「これは我々のSoC(システムオンチップ)が依存しているノードだ」と指摘した。クック氏はまた「需給バランスの回復には数カ月かかると思う」とも述べた。

チップ不足はすでにiPhone 17 Proシリーズに波及し、Mac miniおよびMac Studioの出荷にも圧力をかけている。アップルの運営チームは不足がAirPodsやApple Watchなど他の製品ラインに拡大しないよう努めている。

今回の不足を引き起こしている要因は2つある。一つはAI(人工知能)データセンターの大規模な拡張が先進製造プロセスの生産能力を奪っていること、もう一つはローカルでAIモデルを実行できるMacへの需要が予想を超えていることだ。

アップルの現在の主力チップはTSMCの3ナノメートル(nm)プロセスを採用しており、台湾での生産に高度に集中している。

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