中国、2030年までに燃料電池車10万台目標 水素価格は25元以下へ

中国の工業情報化部、財政部、国家発展改革委員会の3部門は16日、「水素エネルギー総合応用の実証試験の実施に関する通知」を共同で発表した。都市圏を主体とした実証事業を通じて水素エネルギーの大規模利用を進め、コスト低減と産業の高品質な発展を促す方針を示した。

今回の実証では都市群を試験主体とし、「課題公募型」方式で参加都市を選定する。対象となる分野は、燃料電池車(PHV)、グリーンアンモニア・メタノール、水素由来化学原料への代替、水素製鉄、水素混焼、革新的応用シナリオの6項目。試験期間は4年間で、中央財政による支援は1都市群あたり最大16億元(約368億円)。

実証事業では、水素エネルギーの利用シーンを燃料電池車だけでなく、工業や交通など複数分野へ拡大する。具体的には「1つの燃料電池車共通シーン+N個の産業応用シーン+X個の革新応用シーン」という総合的な応用エコシステムの構築を目指す。

燃料電池車分野では、中・大型商用車やコールドチェーン物流車などの大規模導入を重点的に推進する。工業分野では、グリーンアンモニア・メタノール、水素由来化学原料への代替、水素製鉄、水素混焼の4分野を中心に展開する。また革新的応用分野では、鉄道機関車、船舶、新型エネルギー貯蔵などでの水素利用の実用化を探る。

通知では、2030年までに都市群における水素エネルギーの多分野での大規模利用を実現し、最終利用段階での水素価格を平均25元/キログラム(kg)以下に引き下げることを目標に掲げた。条件の整った地域では15元/kg前後までの低減も目指すとしている。

また全国の燃料電池車保有台数については、25年比で倍増させ、10万台規模の達成を目標とする。同時に、燃料電池や電解槽など水素関連設備の技術更新を進め、水素エネルギーを新たな経済成長分野として育成する方針だ。

工業情報化部によると、中国の水素産業はすでに「0から1」への突破段階を達成している。25年末時点で燃料電池車の累計販売台数は約4万台に達し、水素ステーションの建設数と供給能力はいずれも世界トップ水準となっている。さらにグリーン水素の生産能力は約25万トンに達しているという。

今回の実証事業を通じて、水素エネルギーの応用シーン不足、価格の高さ、輸送・貯蔵の難しさといった課題の解決を図り、水素産業の本格的な大規模成長段階への移行を促進する考えだ。

工业和信息化部节能与综合利用司负责同志解读《关于开展氢能综合应用试点工作的通知》

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