TSMC、米国第2工場は27年後半に量産開始へ

半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)は15日に第4四半期の決算説明会を開催し、魏哲家董事長は、2025年以降、AI(人工知能)関連需要が非常に力強い一方で、非AI向けの最終市場はおおむね横ばいながらも小幅な回復が見られると述べた。2026年に向けては、消費者向け、企業向け、国家レベルのAI分野でAIモデルの採用がさらに進み、計算能力への需要が拡大することで、最先端半導体に対する強い需要が継続すると見通した。
こうした中長期的な需要構造の成長に対応するため、TSMCは顧客およびその顧客と緊密に連携しながら、生産能力の計画を進めている。
魏氏によると、米国拠点ではアリゾナ州での能力拡張を加速しており、計画は順調に進行している。第1ウエハー工場は24年第4四半期(10〜12月)に高水準の量産段階へ移行した。第2工場については建設が完了しており、26年に設備の搬入・据え付けを行う予定だ。顧客からの旺盛な需要に対応するため、生産スケジュールを前倒しし、2027年後半に高水準の量産を開始する見込みだ。さらに第3工場はすでに着工しており、第4工場および初の先端パッケージング工場の建設許可申請も進めている。
また、魏氏は、拡張計画を支えるため、隣接する大規模用地の追加取得を最近完了したことも明らかにした。これにより、長期的に続くAI需要の高まりに対し、より高い柔軟性を確保できるという。この計画により、TSMCはアリゾナ州に独立したギガファブの集積地を構築し、スマートフォン、AI、HPC(高性能計算)向け顧客の需要に対応していく。
日本については、第1の特殊プロセス向け工場が24年末に量産を開始し、歩留まりも良好だとしている。第2工場はすでに建設が始まっており、採用技術や量産時期は顧客需要および市場環境を見極めたうえで決定される。
欧州では、欧州連合(EU)およびドイツの連邦政府、州政府、市政府から強力な支援を受けているとし、ドレスデンの特殊プロセス向け工場は計画通り建設が進行中で、量産スケジュールは顧客需要と市場条件に応じて定められる見通しだ。
台湾では、新竹および高雄のサイエンスパークで2ナノメートル(nm)世代の工場を段階的に計画しており、今後も台湾での先端プロセスおよび先端パッケージングへの投資を継続する方針だ。
魏氏は、グローバル拠点の拡張と台湾への継続投資を両立させることで、TSMCは今後も長期にわたり、世界の半導体産業から信頼される技術および生産能力の供給者であり続けると強調した。
第4四半期は過去最高益
15日発表した25年第4四半期(10〜12月)決算は、純利益が35%増の5057億台湾元(約2兆5285億円)と過去最高を記録した。AI向け半導体の需要が急増した。純利益が2桁成長になるのは7四半期連続。LSEGがまとめたアナリスト予想の4784億台湾元を大幅に上回った。
同社は26年第1四半期(1〜3月)の売上高が前年同期比で最大40%増の358億ドルに達する可能性があると表明した。設備投資は26年通年で最大37%増の560億ドルに拡大するとの見通しを示した。28年と29年に「大幅に増加する」としている。




