米国、対中関税の発動期限をさらに90日間延長

トランプ米大統領は現地時間11日、米国に輸入される中国製品への関税発動期限をさらに90日延長する決定を下した。これらの関税は本来、今月12日に再開される予定だったが、トランプ氏は期限数時間前に大統領令へ署名し、適用開始日を11月中旬まで先送りした。
今回の延長は、7月末にスウェーデン・ストックホルムで行われた米中貿易交渉団の最新会合で予想されていた動きだ。延長がなければ、米国による対中関税は4月時点の水準に戻ることになり、その際には米国が中国からの輸入品に145%の関税、中国が米国製品に125%の関税を課していた。
しかし、5月のジュネーブでの初会談を経て、両国は大半の関税を停止することで合意。米国は関税率を30%に、中国は10%に引き下げた。今回の延期は、事前予告なしに変更されるトランプ氏の変動的な関税政策の最新例であり、米国の貿易方針は多くの企業にとって予測困難な状況が続いている。
大統領令では「米国は引き続き中国と協議を行い、経済関係における貿易の非対称性や、それが引き起こす国家・経済安全保障上の問題を解決する」と明記。「これらの協議を通じ、中国は非対称的な貿易体制の是正や、米国が抱える経済・安全保障上の懸念の解消に向けて重要な措置を講じ続けている」としている。
トランプ氏はこれまでも、特定の国や産業に高関税を課すと発表しながら、数日または数週間後に縮小、修正、または停止した例がある。たとえば、4月初旬に発表した「相互関税」もすぐに停止され、その後何度も延期され、最終的に先週、修正版として発効したばかりだった。



