米インテルの「18A」、歩留率はわずか5〜10%と低迷か

米半導体大手のIntel(インテル)が次世代プロセス「Intel 18A(1.8nm)」の量産において深刻な歩留まり率の低迷に直面していることが明らかになった。2024年末時点での歩留率はわずか5%、25年夏でも10%程度にとどまっているとされる。これは、量産化に向けた品質面での大きな課題を浮き彫りにしている。米ウォールストリートジャーナルなどが伝えた。
インテルはこの最新の製造技術であるIntel 18Aをもとに、自社設計の「Panther Lake」ノートPC用チップを生産し、TSMCへの依存を減らしながら先端半導体製造での地位回復を狙っていた。しかし現時点では、製造ラインから出荷できる品質に達するチップはごく一部にすぎない。
関係者によると、製造初期における歩留率の低さは業界の常識ではあるものの、本来50%以上の良率を達成してから量産を始めるのが基本方針だった。通常は70〜80%の良率が収益性のある製品生産のボーダーラインとされる。
25年第4四半期に予定されるPanther Lakeの正式投入に向けて、良率の大幅な改善が必要とされる中、もし改善が進まなければ、インテルは採算割れでの出荷を迫られる可能性がある。
同社のデビッド・ジンスナー最高財務責任者(CFO)は7月、「現在は量産初期段階であり、良率は時間と共に改善していく」としつつも、「現時点の良率では利益を出すのは難しい」と認めていた。同氏によれば、25年末までに量産可能な水準に達することを目指しているという。
Intel 18Aは、次世代トランジスタ構造や電源供給効率を高める新技術を一括導入するなど、大きな技術的転換を伴うプロセスだ。だが、その複雑さゆえにリスクも高く、インテルが米国で先端製造の地位を再構築できるかは、今後の歩留まり改善にかかっている。



