TSMC、さらに2つのCoWoS工場建設か AI需要爆発で

半導体受託生産(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)の高密度パッケージング技術「CoWoS(コワース)」の生産ライン構築を加速する。2000億台湾元(約9520億円円)超を投じて台湾・南部科学園(南科、南部サイエンスパーク)三期に2つのCoWoS新工場を建設する計画のもようだ。嘉義科学園区で建設しているCoWoS新工場を考慮すると、TSMCは短期間に8つのCoWoS工場を建設を進めることになる。

台湾の経済日報が伝えた。台湾南部科学技術管理局(SSTA)は「TSMCは確かに土地の賃貸を申請しているが、ベンダーの開発計画を公表する立場にはない」と述べた。TSMCについては、魏哲家会長・最高経営責任者(CEO)は先週の決算報告で「CoWoS生産能力を継続的に拡大する」と明言。米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)などの大口顧客から高速コンピューティング(HPC)関連の受注が予想以上に達していることを明らかにした。

NVIDIAのJen-Hsun Huang(ジェンスン・ファン)最高経営責任者(CEO)もこのほど、台湾を訪問し、「CoWoSの生産能力拡大を要請している」と明らかにしていた。

情報筋によると、TSMCは南港のCoWoSの新工場では、今回の南科三期の建設用地の面積は25ヘクタールに達する。約20ヘクタールである嘉科のCoWoS新工場への投資額が約2000億台湾元から計算すると、南科三期への投資額は、2000億台湾元以上に上るとみている。

TSMCは早ければ今年3月に南科三期で25ヘクタールの土地を取得し、2つのCoWoSの新工場だけでなく、オフィスビルを整備するとみられている。新工場は26年4月に完成し、生産設備の搬入が始まる予定だという。

TSMCは短期的に8つのCoWoS新工場を建設することになる。嘉義一期に完成したCoWoSの2工場元のほか、台湾のパネル大手、群創光電(イノラックス)から買収した4工場のうち2工場をCoWoS工場に改造する計画だ。さらに嘉義二期で2つのCoWoS新工場を建設する予定だったが、土地の引き渡しが早くても26年1月と遅くなるため、すぐに土地が取得できる南科三期で新工場を建設する方針に変更したとみられる。最後の2つの工場がどこに位置するかについては、まだ検討・評価中とみられる。

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