SMIC、7~9月期売上高が過去最高
中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手の中芯国際集成電路製造(上海市、SMIC)が7日発表した2024年第3四半期(7~9月)決算は、売上高が前年同期比32.5%増の156億900万元(約8953億円)だった。米ドル換算では21億7000万米ドルとなり、四半期べースで初の20億米ドル台に乗せた。
純利益は前年同期比56.4%増の10億7000万元(約1億4900万米ドル)だった。SMICによると、販売量が増えた上に、12インチウエハー10万枚の月間生産能力を持つ新ラインの稼働が商品構成の改善につながり、平均販価が上昇した。生産ラインの全体の稼働率は90.4%、粗利益率は20.5%にそれぞれ上昇した。
同業世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)の同期業績は、売上高が前年同期比39.0%増の235億400万米ドル、純利益が54.2%増の100億5800万米ドルだった。これを踏まえると、SMICの売上高はTSMCの約9%、純利益は同1%の水準にとどまったことになる。
しかしながら、企業の株価と過去12カ月間の利益を比較したPE-TTMは、TSMCの31に対し、SMICは211に達しており、SMICの企業価値評価がTSMCをはるかに上回った。
SMICの株価は今年9月末以降に急騰し、11月7日終値は、9月末比143%上昇した。足元の時価総額は、中国A株市場が8125億元、香港H株市場が2253億香港ドルとなっている。
台湾の市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)の統計によると、2024年第2四半期(4~6月)のファウンドリー世界市場は、TSMCがシェア62.3%でトップ。以下、韓国サムスンが11.5%、SMICが5.7%、台湾・聯華電子(UMC)が5.3%、米グローバルファウンドリーズが4.9%で続いた。