中国が関連するコネクテッドカーの輸入禁止へ、米国が規則案
米国商務省産業安全保障局(BIS)は現地時間23日、安全保障上のリスクがあるとして、中国またはロシアの企業によって開発された特定のハードウエアとソフトウエアが搭載されたコネクテッドカーの販売または輸入を禁止する規則制定案公告(NPRM)を近く公示すると発表した。
今回の発表でBISは、中国とロシアが関与し、かつ車両接続システム(VCS)または自動運転システム(ADS)に統合されたソフトウエアとハードウエアの販売または輸入を禁止する規則案を提示。ソフトウエアは2027年以降のモデルから、ハードウエアは2029年1月或いは2030年モデルからの適用を提案した。同規則案は、自動車、トラック、バスなど車輪のついた全ての路上走行車両に適用されるが、農業用車両や採掘用車両など、公道で使用されない車両は適用対象外となる。
BISは、規則案公示後30日間、パブリックコメントを受け付けた後に最終案を起草し、バイデン大統領の任期が切れる来年1月20日までに「永久的な」ルールとして成立させることを目指す。
米商務省の情報通信技術部門責任者、リズ・キャノン氏は、中国で生産され米国で販売されるすべての自動車が適用対象となり、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が米国で販売する「ビュイック・エンビジョン」や、フォード・モーターが米国で販売する「リンカーン・ノーチラス」も例外ではないと指摘。GMとフォードは今後、米国市場向けに中国で生産する車種に関して、生産地の移転を迫られると説明した。
中国外交部の林剣報道官は23日の会見で、米国の中国に対する同規制案について質問された際、「米国が国家安全保障概念を乱用し、中国の関連企業や製品に差別的なやり方を採ることに反対する。米国が市場の原則を尊重し、中国企業に開放、公平、透明、非差別的なビジネス環境を提供するよう求める。中国は中国企業の合法的権益を断固として守る」と表明した。