ハートエアロスペース、30人乗りハイブリッド電動航空機の初の実物大デモ機を公開
ヨーテボリ(スウェーデン), 2024年9月16日 /PRNewswire/ — スウェーデンのハイブリッド電動航空機メーカー、ハートエアロスペース(Heart Aerospace)は本日、地域用ハイブリッド電動航空機「ES-30」の開発における重要なマイルストーンとして、初の実物大デモ機を公開しました。
デモ機は、ほぼすべてハートエアロスペースのヨーテボリ施設内で自社開発されており、設計と生産プロセスを同時に進展させるという同社の戦略を反映しています。
「航空業界は30年周期のイノベーションの段階に差し掛かっており、航空分野の脱炭素化には残り25年もありません。私たちは、ネットゼロ航空技術をより迅速に市場へ投入するための新しい方法を開発する必要があります。」とハートエアロスペースの共同創設者兼CEOであるアンデシュ・フォルスルンド氏は述べています。「まったく新しい推進システムを搭載した30席の航空デモ機を、ほぼ社内作業で2年以内に完成させることができたのは、当社チームの創意工夫と献身の賜物です。」
全長32メートルの翼幅を誇るデモ機「ハート・エクスペリメンタル1(ハートX1)」は、ハートエアロスペースのES-30航空機の厳格な試験と開発のプラットフォームとして役立ちます。
当初、HX-1は地上試験に使用され、充電操作、タキシング、そしてターンアラウンド手順に重点を置く予定です。2025年第2四半期には、完全電動による初飛行が予定されています。この飛行に備え、ハートエアロスペースは今後数か月にわたり、機体上および機体外でハードウェアテストを実施し、重要なシステムの試験を行います。
ハートX1の開発は、スウェーデン政府イノベーション庁のヴィノヴァからの助成金によって一部資金提供されており、新たな航空技術を市場に導入するために必要な政府と産業界の重要な協力関係を示しています。
「革新的なネットゼロ推進航空技術の開発には、自動車業界や宇宙産業で目の当たりにしてきたように、製品開発と製造における革命が求められます。」とハートエアロスペースの最高技術責任者であるベン・ステイブラ―氏は述べています。
ハートエアロスペースは、ハートX1の開発経験を基に、最新の複合材料製造技術と製品ライフサイクル管理を活用した最先端の航空機製造プロセスの構築に注力しています。このプロセスでは、高い再現性、自動化、そして非破壊検査を備えたデータ駆動の組立ラインを構築します。
ハートエアロスペースがES-30の開発で次に取り組むのは、ハートX1で得た知見を基に設計と生産方法をさらに成熟させるための、量産前の試作機「ハートX2」の製造です。
ハートX2は2026年にハイブリッド飛行を予定しており、同社の独自ハイブリッド推進システムを実証する予定です。8月にハートエアロスペースは、ハイブリッド電動推進システムの管理システム開発のために、米連邦航空局(FAA)の「持続可能な航空の移行推進プログラム(FAST)」から410万ドルの助成金対象として選ばれました。
この勢いを維持するために、完全適合型航空機の製造に向けたプロトタイプ開発を加速させるためのパイロット製造工場が設立される予定です。ハートエアロスペースは、今後10年以内にES-30の型式証明取得を目指しています。
ES-30は標準で30名の乗客を収容できる地域用ハイブリッド電動航空機で、短距離路線において今までにはない持続可能性と効率性を提供することを保証します。電動でのゼロエミッション航続距離は200キロメートル、ハイブリッドでの拡張航続距離は400キロメートルです。
詳細については、9月12日13:00(中央ヨーロッパ時間)からのライブストリームプレゼンテーションにご参加ください。
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