欧州での中国製EV登録台数、関税引き上げで7月は10%減
欧州が2024年7月から、中国製電気自動車(EV)に対する関税を引き上げたことに伴い、同月の中国製EVの登録台数が前年同月比10%近く減少したことが分かった。
欧州連合(EU)欧州委員会は7月5日から、 中国からの純電気自動車(BEV)の輸入に対して追加関税を課すと発表した。欧州委員会は、調査に対する上海汽車(SAIC)の回答は「計算ミス」であるとし、最高額の関税率(36.3%)を課した。
Dataforceによると、7月に中国企業が登録したEVは欧州全体で1万4000台未満で、6月の2万3000台から減少。2023年7月と比較すると9.7%減少した。
米調査会社Dataforceによると、上海汽車傘下のMGブランドや比亜迪(BYD)などの中国ブランドは欧州での7月のEV登録台数の9.9%を占め、前年同月の10.2%から縮小した。
調査会社Jato Dynamicsによると、7月の欧州におけるMGブランド車種の登録台数は前年同月比で38%減となった。前月比で60%減少した。上海汽車は6月、追加関税を前に、MG EV車種1万3000台以上を欧州のディーラーに納車している。
■BYDは欧州で事業拡大
一方、BYDは7月に入っても欧州事業を拡大させている。 ハンガリーとトルコに工場を建設中で、稼動すれば追加関税を回避できるようになる。
中国の自動車大手、浙江吉利集団傘下で、スウェーデンのボルボカーズと共同出資している高級EVメーカー、Polestar(極星汽車、ポールスター)は米国で「Polestar3」の生産を開始しており、独フォルクスワーゲン(VW)の中国パートナーである小鵬汽車(シャオペン)は8月、欧州で生産拠点を探していると明らかにしている。