カナダ、中国製EVに100%関税 10月から
半導体チップや太陽電池へも措置検討
カナダ政府は現地時間26日、10月から中国製電気自動車(EV)の輸入に100%の関税を課すと発表した。中国製鉄鋼とアルミニウムにも25%の関税を課す。10月1日から実施する。米国や欧州連合(EU)に協調して、中国製EVの輸入を抑制する。
発表は、カナダのジェイク・サリバン米国家安全保障顧問がカナダのJustin Trudeau(ジャスティン・トルドー)首相および閣僚と会談した際に行われた。サリバン氏は27日に北京を初訪問する。トルドー首相は、「中国政府による補助金がある」と指摘し、カナダも中国の鉄鋼とアルミニウムに25%の関税を課すと述べた。
トルドー首相はまた、カナダは米国や他の同盟国と引き続き協力し、中国の半導体チップや太陽電池に関税を課すさらなる措置を検討していると述べた。しかし、具体的な詳細は明らかにしなかった。
現在、カナダに輸出されている中国製EVは米EV大手のTesla(テスラ)だけで、同社の上海工場で製造・輸出している。テスラの上海工場からの輸入拡大を受け、2023年のカナダの最大の港であるバンクーバーへの中国からの自動車の輸入台数は前年比460%増の4万4356台と急増していた。
テスラは米国やドイツの工場からカナダへの供給に切り替えることで、関税を回避することができるとみられている。
一方、中国のEVブランドはまだカナダ市場に参入していないものの、中国のEV大手、比亜迪(BYD、広東省深セン市)がカナダに会社を設立しており、近い将来カナダ市場に参入する計画だった。
在カナダ中国大使館の報道官は26日夜、声明を発表し、「カナダ政府は、中国の度重なる異議申し立てと厳粛な陳情にもかかわらず、中国製EVやその他の自動車に対する関税の発表に固執。世界貿易機関(WTO)の規則を遵守し、誤った慣行を直ちに是正し、経済貿易問題を政治化しないよう求める。」と強く抗議した。