オムディア:世界のヒューマノイド・ロボットの出荷台数が2027年までに1万台を超え、2030年には3万8,000台に達する見込み
ロンドン, 2024年7月31日 /PRNewswire/ — Omdia(オムディア)の最新の調査「Robotics Hardware Market Forecast – 2021–30(ロボット・ハードウェア市場予測 – 2021~30年)」によると、世界のヒューマノイド・ロボットの出荷台数は2027年までに1万台を超え、2030年には3万8,000台に達すると見込まれています。この数字は、2024年から2030年までの複合年間成長率83%に相当します。
2024年は、ヒューマノイド・ロボットにとって飛躍の年となります。人間を模倣する生成AI(GenAI)をめぐる刺激的な謳い文句にも一部後押しされ、ヒューマノイド・ロボットは、次代の大きな技術的飛躍を代表する存在と見なされています。Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)などの先駆的なテクノロジー企業が多額の投資を行った結果、いくつかの要因が揃い、二足歩行の人型機械の量産化の準備が整いました。
ヒューマノイド・ロボットの開発コストは、サーボ・モーター、ハーモニック・ドライブ、センサーなどのキーテクノロジーがより高度になるにつれて、現在最適なポイントに達しています。さらに、デバイス上のAIコンピューティングが改善されたことにより、モーション・コントロール、ナビゲーション、コンピューター・ビジョン用のAIソフトウェアを統合できるようになりました。こうした進歩に歩調を合わせ、AIチップ市場のリーダーであるNVIDIAは、計算集約型のオンデバイスAIに対する需要が高いことから、ロボットによる将来の自動化におけるヒューマノイド・ロボットの可能性を認識し、過去6か月間にわたってヒューマノイド・ロボットを積極的に推進してきました。
ヒューマノイド・ロボットは当初、自動車製造に使われることが多く、Tesla(テスラ)やNio(ニオ)などの企業がいち早く導入していましたが、一般的な製造や物流の作業、小売、飲食、接客、医療福祉など、他のさまざまな分野でも可能性を秘めています。Tesla、Nio、Boston Dynamics以外にも、Agility Robotics、Dataa Robotics、Dreame、Figure、Fourier Intelligence、UBTech、Unitreeなどの新興企業がヒューマノイド・ロボットに力を入れています。
楽観的な将来予想にもかかわらず、ヒューマノイド・ロボット・テクノロジーはまだ発展途上です。ヒューマノイド・ロボットは複雑であるため、量産と広範囲への展開が難しく、大半は依然として試験段階か概念実証の段階にとどまっています。大規模な導入は、まだ何年も先のことでしょう。「Dataa Roboticsのような中国企業は、人間とロボットの自然言語による対話を実現するために、ヒューマノイド・ロボットに基盤モデルを統合しようと模索しています」と Omdiaのチーフ・アナリスト、Lian Jye Su氏は述べています。
さらに重要なのは、ヒューマノイド・ロボットをめぐる熱狂的な機運は、ロボットによる自動化への需要が世界中で高まっているという大局的な動きと一致していることです。Omdiaは、企業および産業分野におけるロボットの導入による大幅な成長を期待しています。この動きを主に牽引するのが、無人搬送車両、自律移動ロボット、四足歩行ロボット、そしてヒューマノイド・ロボットです。
ロボット・ベンダーは単に需要を押し上げるだけでなく、より人間中心の設計思想と自動化をロボットの設計、開発、展開に取り入れています。「センサー・フュージョンとナビゲーション・アルゴリズムの進歩により、ロボットの安全性は高まっています。各ベンダーは、タスク・トレーニング、経路計画と最適化、フリート管理、ヒューマン・マシン・インターフェイスにAIを活用しています。予測AIと生成AIは、ロボット分野におけるAIの民主化に大きな役割を果たすでしょう」とSu氏は最後に述べました。
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