中国が生成AI特許出願数で世界トップ、米国の6倍に=国連機関
国連の専門機関、世界知的所有権機関(WIPO)が3日発表した報告書によると、チャットボットなどの生成AIに関する世界の特許出願数で、中国が3万8000件以上と他国を大きく引き離しており、米国の6倍となったことが分かった。
生成AIは、既存の情報からテキスト、画像、コンピュータコード、さらには音楽を生成する技術で、生命科学や製造、運輸、セキュリティー、電気通信、広告、ゲーム、動画などの業界で広く利用されている。
世界知的所有権機関が3日発表した報告書によると、2014年から23年までの10年間で世界での生成AIの特許出願件数は5万件を超えた。
このうち、生成AIの特許出願数では中国が世界トップ。中国は過去10年間に3万8000件以上の生成AI関連の特許を出願しており、これは同期間に米国で出願された件数(6276件)の約6倍にあたる。韓国、日本、インドはそれぞれ3位、4位、5位だった。
生成AIの企業・団体別ジェネレーティブAI特許出願数でも中国がリードしている。上位10企業・団体は、騰訊(テンセント)(2074件)、平安保険(1564件)、百度(バイドゥ)(1234件)、中国科学院(607件)、IBM(601件、米国)、阿里巴巴集(アリババ・グループ)(571件)、サムスン電子(468件、韓国)、Alphabet(アルファベット)(443件、米国)、 バイトダンス(418枚)、Microsoft(マイクロソフト)(377件、米)。上位10企業・団体のうち、中国企業は6社、米国は3社だった。
世界知的所有権機関(WIPO)のクリストファー・ハリソン特許分析マネージャーは「この分野は急成長している分野であり、世界の産業に大きな影響を与えることを示唆している」と指摘。 特に中国の特許出願の分野は非常に幅広く、自動運転から出版、文書管理まで及んでいるとした。
■世界最大のAI人材大国に
これに加えて、中国は輩出したAI人材の数が急増し、米国を抜いて世界最大のAI人材輩出国になった。特許出願数や人材面で中国はAI研究の分野で間違いなく世界をリードする立場となっている。
米ニューヨーク・タイムズは今年3月の調査データを引用し、中国が輩出した人材の数が急増し、米国を抜いてAI人材の最大の生産国になったと指摘した。世界のトップAI研究者の半数近くが中国出身であるのに対し、米国の大学出身者はわずか18%に過ぎないとしている。