米が対中投資規制案発表、半導体・量子・AIの3分野で
米財務省は現地時間21日、中国のハイテク分野に対する投資を規制する案を公表した。半導体・マイクロエレクトロニクス、量子情報技術、人工知能(AI)の3分野を対象としており、メディアの間では、年内の発効を予想する向きが多い。
規制案は、バイデン米大統領が2023年8月に発表したハイテク分野における対中投資規制案を改善したもので、8月4日までパブリックコメントを行い、その後、最終案と発効日を発表する。
中国商務部研究院の周密研究院は米国の最新の動きについて、米国の対中規制の範囲が輸出から投資へと延伸され、ハイテク分野での脱中国依存をさらに加速させると指摘。「米国のやり方は米中企業間の正常な経済貿易・投資活動を妨害し、米中間の正常なテクノロジー交流を破壊するものだ」と批判した。米国の対中投資規制が多国間連携につながるリスクを指摘する声も上がった。
一方で、中関村信息消費連盟の項立剛理事長は、「米国の規制案は、半導体、量子コンピューター、AIの先端テクノロジーが戦略的新興産業を発展させていく上で欠かせないものであることを中国にさらに明確に意識させ、中国が同3分野で自主イノベーションを推進していくモチベーションになる」との認識を示した。
「中国がハイテク技術を向上させていく上で、国際資金の参与は必要だが、主な拠り所となるのはやはり国内の資金と政策面でのサポートだ」とし、国務院がこのほど発表した「創業投資の質の高い発展を促進するための若干の政策措置」は、創業投資、株式投資、企業再編などの領域におけるテクノロジーイノベーションのサポート力増大を狙ったものだと解説した。